すべての原付の光
40件の記録
Yamada Keisuke@afro1082026年5月10日読み終わったあまりにも気になりすぎるタイトルかつ早川書房から出てることに惹かれて読んだ。日本のSFを読めていない中で、脳みそがスパークしそうな圧倒的情報量とドライブしまくる物語の構成に魅了されてあっという間に読み終えた。 タイトル作を含めて合計5作の短編・中編で構成されている。似たような話は一つとしてなく、それぞれ異なる魅力を持っていた。なんといってもタイトル作が「これぞ日本のSF!」という内容で最高だった。暴走族およびヤンキーという絶滅危惧種の日本の伝統を、SFに落とし込んでこんなユニークな小説が書けるだなんて。勝手に原チャで暴走していた中坊を捕まえてタレットから空中に打ち込み異世界に吹き飛ばすという設定がぶっ飛んでるし、原付の光が明滅するシーンにおけるリテラルな表現は斬新だった。全体通してのギミックとしては、ルビ振りが特徴的。漢字に対して英訳ルビが振ってあるので、情報量が増えて世界観の構築に一役買っていた。 一番好きだったのは「ショッピング・エクスプロージョン」ドン・キホーテをオマージュした量販店が無限に増殖し、地球上を侵食していく。それを食い止めるミステリーバディものという荒唐無稽な話。『フライデー・ブラック』を想起しつつ、ワンピースやドン・キホーテというベタなものをかけあわせてフレッシュな文学に昇華してしまうスキルに脱帽した。主人公2人がジャズメンを模した名前だったり、熊谷が大麻の街だったりと、ハイコンテキストなカルチャーのマダラ模様も読んでいて楽しかった。タランティーノに映画化してほしい。 一方で「竜頭」は少し不思議系なストーリー展開に地方の鬱屈性が配合された独特の世界観だし、「ラゴス生体都市」は進撃の巨人オマージュな展開だったり。同じSFの中でも、サブジャンルを横断して自分のスタイルに落とし込む様からオールラウンダーであることが伝わってきた。 いわゆる日本的なサイバーパンクのイメージを率先して具現化している街は、渋谷、新宿といった都市部かもしれないが、そのベタ性から距離を取り、地方を舞台に想像力を爆発させて軽やかに完全オリジナルの世界観を作り上げている点にクリエイティビティを感じた。新作が最近出たばかりのようなので、そちらも読みたい。
annamsmonde@annamsmonde2026年2月20日読み終わった不良×SF。5つのサイバーパンク短編小説。 冒頭、斜めからくる世界観を掴むのに苦戦しつつ読み進めると、パンクな展開と多種多様なオマージュが楽しませてくれる短編集でした🫢
roiban@roiban2025年4月27日読み終わった良かった。最初の3作は既読だったが再読。漢字にカタカナのルビを振る表現が多用され、ヤンキー、ヤクザ、スラム街の住人など、アウトローなヤツらが未来的なガジェットでヤンチャをする。「ショッピング・エクスプロージョン」は「サンチョ・パンサ」なるドン・キホーテ風の量販店がガンのように自発的に暴走増殖する終末間際の世界で、西海岸で路上暮らしをする少年が思いがけない宝の地図を手に入れる話。ニューロマンサー風の文体に、現実でさえおかしなドン・キホーテの諸要素が散りばめられていて異様な高揚感と疾走感がある。「ラゴス生体都市」はタイトル通り未来のラゴスを舞台に、部族出身の青年がポルノ規制に躍起になる体制側の保安要員になる話で、巻末に配置されるのも納得の目まぐるしい展開だった。作風に慣れてから読むもの。































