すべての原付の光

23件の記録
- roiban@roiban2025年4月27日読み終わった良かった。最初の3作は既読だったが再読。漢字にカタカナのルビを振る表現が多用され、ヤンキー、ヤクザ、スラム街の住人など、アウトローなヤツらが未来的なガジェットでヤンチャをする。「ショッピング・エクスプロージョン」は「サンチョ・パンサ」なるドン・キホーテ風の量販店がガンのように自発的に暴走増殖する終末間際の世界で、西海岸で路上暮らしをする少年が思いがけない宝の地図を手に入れる話。ニューロマンサー風の文体に、現実でさえおかしなドン・キホーテの諸要素が散りばめられていて異様な高揚感と疾走感がある。「ラゴス生体都市」はタイトル通り未来のラゴスを舞台に、部族出身の青年がポルノ規制に躍起になる体制側の保安要員になる話で、巻末に配置されるのも納得の目まぐるしい展開だった。作風に慣れてから読むもの。