大阪 (河出文庫)

39件の記録
鈍獣@whale_in_da_room2026年8月26日読んでる“ わたしの記憶の街は、真冬だ。 冷たい風もあのときはたいして感じなかった。歩道橋の上を、一人で歩いていた。端でシートを広げてなにかを売っている人がいた。歩道橋から見下ろせる、大阪駅から阪急百貨店へと渡る横断歩道では、何十秒かごとに人が波のように押し寄せて、さっと引いて、また押し寄せた。人がたくさんいて、わたしはその中の誰のことも知らなかった。これだけ大勢いる人が、一人に一つずつ人生がある人たちが、誰も自分とは関係がなかった。わたしがここにいることを、わたし以外の一人も知らなかった。うれしかった。”
鈍獣@whale_in_da_room2026年8月25日読んでる“ 社会全体が自由である、ということは、おそらくほとんどないのではないか、と思っている。たぶん、誰かが自由にしている傍で、誰かが辛い思いをしてその自由を支えているのだろう。そういうことをすべて理解したいと思う。”


鈍獣@whale_in_da_room2026年8月24日読み始めた過日のジュンク堂のイベントで、犬や猫を飼うことは彼らの寿命(犬なら十五年、猫なら二十年前後)という尺度が自分の人生に組み込まれることだ、と岸先生が話していたのを読みながら思い出した、というか、その記憶が固定化されていくのを感じた “ 思わず自分の二十年を考える。二十年前はまだ結婚したばかりで、おはぎときなこという子猫を拾って、安アパートで暮らしていた。たいした業績もなく、大学教員として就職する可能性は限りなくゼロで、将来の見通しは真っ暗だった。 それでも毎日なんとか楽しく暮らしていたとは思う。そしてそのタイ人の彼女も同じ時期に大阪へやってきて、娘がふたりできて、そして今でも大阪のマッサージ屋で、毎日お客さんの背中を揉んでいる。 おばちゃんの二十年。私の二十年。”


鈍獣@whale_in_da_room2026年8月24日読んでる親の仕事で転勤族だった自分にはとてもよく理解できる、すこし歪な郷愁、〈地元〉への憧れ “ 市内でも郊外でも、大阪の、流動性の少ない、昔から住んでいるひとばかりの街に生まれ育って、そこで根をおろして暮らしたかったと思う。中学校の同級生の女子がやっているお好み焼き屋かスナックで、安酒を飲みたかったと思う。二十歳そこそこで結婚して、たくさん子を育て、休日はミニバンかSUVで、白浜あたりに出かけたかったと思う。子どもの頃に通った駄菓子屋のおばちゃんも歳をとって店を閉め、そのシャッターを見て懐かしい気持ちになりたかったと思う。自分でもどこかの場所を借りて飲食業に手を出し、失敗したかったと思う。ちょっと恐くて鬱陶しいけど悪いひとじゃない先輩とかと、たまに銭湯で出会いたかったと思う。同級生と同じ年に子どもをつくって、子ども同士も同級生になればよかったのにと思う。 でもたぶん、大阪で生まれ育って、ここが地元だったら、私は東京あたりの、別の街に逃げていただろう。私は十八で名古屋から脱出して、大阪に来た。私は大阪に、「出て来た」のだ。もし大阪で生まれ育ったとしても、その地元はおそらく、女たちが殴られ、泣かされ、働かされ、ただ我慢を強いられる街だったに違いないし、すこし「進んだ」考え方を持った子どもや、塾にも行かずにただ家にこもって本を読んでいるような子どもは、からかわれ、罵られ、仲間外れになるような街だったに違いない。”
そば@COBA2026年6月15日読み終わった時々泣きそうになりながら読み終えた。 哀愁とか郷愁とかそういったものではないと思うのだけど(私はお二人が書いた大阪を知らない)、鼻の奥がつんとなるところがたくさんあった。引用してコメントしたい箇所が多すぎる。 都市の様相を書いた箇所は、大阪に限らずどこの都市にも当てはまる話だと思った。 岸さんの「女の子」の書き方だけ、少し苦手だった。


いちこ@ichinics2026年2月4日2026年読了本沖縄旅行中に読んだ。 観光地というよりは住宅街に近いエリアに滞在したのと、色々あって阪神ファンになってから大阪・兵庫の歴史と文化についてより一層の興味が湧いていたことととで、旅行中に読むのにとても良い感じだった。 生まれも育ちも東京ということもあり、自分は長らく「東京」のことを考えたことがなかった。 でもコロナ禍を境に「街」を意識するようになったことと、かなり重なる読書でもあった。読んでよかった





ieica@ieica2025年12月21日読んでる抜き出したい文章が沢山あるのだけど、それよりもまず、地名にルビが振ってあるのがものすごくありがたいという事を声を大にして言いたい! 難読地名に限らず、読み方が分からない漢字って地味にストレスだし、文章の理解を妨げると思う。








🕊️@hato2025年10月11日ちょっと開いた大阪行くので読み返し。土地への感覚が全く無い。どこ行こうかなー 文庫版書き下ろしの岸先生はあいかわらずうっすら物悲しくて良くて、柴崎さんの日記は近年のモヤっと思っていた事が言葉にされていて落ち着いた。西加奈子さんの解説「太字を避ける二人」たしかに〜太字避けたい




































