天路の旅人

13件の記録
- 黒糖まんじゅう@hyo-1232025年5月31日読み終わった読了。 西川一三の8年間の旅は帰国後、その鮮烈さを記録したとてつもない長さの手記が本人によって書かれ、2度出版された。そしてその後、沢木耕太郎によりこの本が出された。もしこの本が無ければ私は西川一三さんの旅の時間とその後の人生にこれほど思いを寄せる事は無かったと思う。作者に感謝。 砂漠の旅、雪山の寒さ、山賊の恐怖、修行、托鉢、... 私が感覚を想像できるのは寒さくらい。 外国語の習得って、やっぱり未知のものを知りたい、出会いたいっていう欲求の表れ。
- 黒糖まんじゅう@hyo-1232025年5月28日読んでる第九章読了。 序章でインタビューされていた西川一三さんと第二章以降の西川一三が今は頭の中で一致しない。 膨大な手記を読み込み、本人にインタビューし、それからどういう風に物語りを立ち上げるんだろう作者は。 横道にそれるけど、ヒマラヤの山の名の記述があって、あの二人の素敵な登山家の事を思い出した。
- 黒糖まんじゅう@hyo-1232025年5月26日読み始めた返却日が迫っていて、5日間で陸路で中国を通って、カトマンズ、デリー、その後海路でペナン、香港、神戸に戻らねば〜。この本のいいところは表見返し、裏見返しに地図とルートが描かれている所。助かる。 井上靖『おろしや国酔夢譚』読後すぐに出発。
- May@May_052024年12月31日かつて読んだ西川一三氏が残した記録とインタビューをもとに、著者が25年の歳月をかけて、壮大な旅を通してひとりの旅人の人生を書き上げた一冊。 西川氏は「第二次世界大戦末期、25歳のときに日本陸軍の密偵として中国大陸へ潜入し、終戦後もインド・ネパールなど、8年に渡って旅を続けた人物」とのこと。 多分自分は、このような内容だけではあまり興味を持てなかったと思う。 まず著者に興味を持った事がきっかけだった。 恥ずかしながらこれまで著者を知らずにきたが、NHKクローズアップ現代のインタビュー内での発言やうかがえる人柄などから著者に惹かれ、その著者が「どうしても描きたい」と思った西川氏について私も知りたいと手に取った。 お金も、頼る人も、国のバックアップもない。 しかし、それがとても純度の高い旅だと。 旅の中で言葉を覚え、働き、ひとつずつ生きる手立てを身につけ、その力によって切り拓いていく彼の姿が描かれている。 最後の章で、雪の中へ消えてゆく西川氏の描写が印象的だった。 旅立つ若き日の西川氏と、旅を終えて家族の元へと帰る西川氏。 著者によってその描写が旅をより壮大に、ロマンチックに演出されていると思う。 読み終わったとき、自分もひとつの壮大な旅を達成したように感じた。 そして、私の思う「旅」とか「自由」は、鳥かごの中のものに過ぎないのだと改めて知った。