黒猫の三角
33件の記録
- @s_ota922026年4月16日p109 「何か、根拠のない不安。胸騒ぎ。不吉な、予感。本当に根拠がないのだろうか?無意識のうちに何かを計算しているのではないか?」 p113 「私は詩人であり、哲学者であり、私は科学者であり、しかし、それはすべて、私が自称するものではありません。私は、私以外の自称をしません。他人が私をどう捉えるのかは、そのプリンの姿をした羊羹の存在と同じで、一瞬の幻に過ぎない。」 p115 「「どちらかの種族は、相手を見つけることは避けることで、会うことは逃げることだと定義していた。だから、その種族からみれば、見つけられないことは、すなわち会ったことに等しい。」」 p138 「「いいえ。それは嘘。でもね、少なくとも、アウトとセーフしかないゲームじゃないの。」」 p142 「紅子が急に優しい声に戻って答えた。一瞬で人格が切り替わるようだ。」 p152 「不可思議なゾロ目の数字。」 p169 「「正義って、煙草と同じね。」」 p185 「「ただし、その理由が、言語として他人に伝達可能かどうか、あるいな、たとえ伝達可能であっても、他人の共感を得られるかどうか、という問題が残るだけなの。」」 p192 「「ネルソンなりの哲学があるんだよ。」練無は微笑む。」 p193 「他人に認識してもらえることが、そんなに嬉しい?道路標識じゃないんだからさ。」 p205 「「紅子さんに、いろいろ教えてもらいなさい。素直であれば、それで良い。」」 p205 「「誰がやったのか、わかっていない様子だったが。」小田原は指でテーブルを軽く叩きながら言った。「馬鹿な連中だな。」」 p206 「「どうやったのか、という疑問と、誰がやったのか、という疑問は、同義ではない。どちらが知りたいのかな?」」 p206 「「だから、そいつが誰なのか、わしには答えようがない。そもそも、どんな人物なのか、わしは知りたくもないな。興味はまったくない。それで娘の命が戻るわけでもない。男のことを理解したところで、わしの精神の平静が取り戻せるわけでもないのだよ。」」 p209 「「たとえば、静江が倒れていたソファの中を調べたかな?」」 p225 「「そちらはお友達かな?」」 p225 「「あれは、デルタという名でな。」「しかし、はは、黒猫のデルタとは、はは、愉快な名前ではないか。」」 p256 「「あ、あいつ、えっと、デルタ。」」 p269 「黒猫が、紫子を見上げていた。額の白い三角。デルタだった。」 p273 「とにかく、アンバランスな人格、目まぐるしく入れ替わる人格、スリリングで、スピーディで、サイケデリックだ、と練無は感じていたが、もちろん、それが嫌ではない。それどころか、とても羨ましい。とても好ましい。」 p291 「「人工呼吸したことは、しこちゃんには内緒だよ。」」 p307 「「だって、小鳥遊君も、それに、小田原長治博士も、その幽霊を見ているのよ。」」 p311 「「デルタだよ。」」 p327 「「名詞なら、不、じゃなくて、非、がつくはずでしょう?自由って、最初は動詞だったのかな。」」 p328 「へっ君は、読んでいた本を持ち上げて、紫子に表紙を見せた。」 p335 「一般的?おかしな言葉だ。平均的?日常的?健康的?道徳的?まあ、何でもいい。」 p345 「「そう思い込もうとしているだけ。」」 p348 「「でも、その価値というのは、人それぞれだよ。」紅子はにっこり微笑んだ。」 p349 「「確かに、社会の理解を得て、刑が軽くなるような殺人が存在するみたいだね。けれど、それは、逆に見れば、つまり、死刑と同じで、人が人を裁いていることになるのだよ。そういった殺人を認めることは、正義のためなら戦争を許容し、正義のためなら死刑を許容することへ進む可能性がある。正義という名前の理由さえあれば、人を殺しても良いことになる。その理由がないものは駄目だ、という理屈になる。では正義って何だい?理由とは何だい?たとえば……、そう、正当防衛は許されているよね?自分が殺されそうになったら、相手を排除できる。抵抗しても良いことになっている。ところが、それは物理的に不可避な場合だけで、精神的な攻撃は適用されない。精神的にどんなに痛めつけられても、相手を殺してはいけないことになっている。これ、どうしてだと思う?人によっては、精神的な攻撃の方が耐えられない、という人格だってあるんじゃない?その答は簡単。つまり、精神的なダメージが測れないから。定量的に観察できないから。すなわち、躰なら怪我が見えるのに、精神の怪我は見えない。ただそれだけの理由です。そもそも、人間の作り出したルールなんて、まだその程度のレベルなんだ。」」 p352 「「ええ、つまり、それを食べないと自分が餓死してしまう、という正当防衛で鳥を撃つわけ。その種のハンティングは許される、神も許してくれる、という思想は、歴史的に見ても根強いな。確かにそれはある。人間は、牛や豚を殺して食べているし、他人の利益を搾取して、自分の生活を守る。それは、日常にとても近い行為だよね。それに比較して、趣味のハンティングは、人間だけがする行為だわ。だから、それは、より人間的な行為といわざるをえません。とにかく他の動物には真似ができないんだもの。人間だけが思考し、言葉を話し、子孫に歴史情報を伝達し、哲学を構築し、科学を築いた。あらゆる芸術を生み、それを美しいと感じ、美しいものを愛した。もし、これが人間性だとしたら、意味もなく他の生命を奪う行為は、これと同じ部類のものだ、と私は確信している。だから、より人間的で、より高尚で、より芸術的で、より純粋な動機といって良いでしょうね。ただし、その実行を認めるわけにはいきません。それ、忘れないでね。それを高尚だといっても良い。美しいといっても良いわ。それなのに、実行だけは、絶対に認められない。何故だかわかる?」」 p353 「「私は、自分が殺されたくないからです。それ以外に理由はないわ。私は、もう少しやりたいことがあって、もう少し生きていたい、という極めて個人的な希望を持っているの。勝手で我儘だけど、そうなんだからしかたがないわ。つまり、それだけ、それだけなのよ。だから、その、美しいかもしれない殺人を、私は認めるわけにはいかないの。それは、私のエゴです。私が殺されたくないから、みんなも殺さないで、という自分に都合の良いことを主張しているわけ。そのエゴが集まって、社会のルールを作っているだけのことなんだ。これは、正義でもなんでもないわ。」」 p354 「「牛乳とコーンフレークです。これが一番好きで、幸せだとおっしゃいました。」根来が悲しそうな表情を見せた。「まあ、本当に……、あの子は天使よね。」紅子は目を細める。」 p356 「紅子は片手を伸ばしてVサインをする。」 p364 「「林は弱き桑を選ぶ。」」 p367 「「あの、素敵。」紅子が突然言った。」 p369 「「でもね、これが、黒猫のデルタなんだよ。」」 p373 「「僕は、それが知りたいな。人を殺してはいけない、ということになっているけど、でも、虫や植物は殺しても良い。意味もなく殺しても罪にならない。魚や鳥、牛や豚も殺されますね。じゃあ、人間はどうか……、日本だけで一年に何万人もの人が自殺しています。事業に失敗して、受験に失敗して、恋愛に失敗して、人は自殺する。それはつまり、誰かが成功したからではありませんか?人は人を蹴落として這い上がろうとする。良い成績を取り、良い業績を上げ、人より得をし、人よりも幸せになろうとする。それで、敗れた者のうち何人かは、死んでいく。そうじゃありませんか?だとしたら、僕らは誰だって、知らず知らずのうちに、間接的に他人を殺していることになる。誰も殺さないでいたいのなら、勉強をしたり、仕事をしてはいけない。お金を儲けたり、得をしてはいけない。幸せになってはいけないことになる。戦争みたいな単純でわかりやすい人殺し以外にも、同じような殺し合いは、日常的に行われている。そうじゃありませんか?」」 p374 「「沢山の固定観念が作られる。どんどんどんどん、その固定観念で人間は鈍化していく、それが、歳を取るってことだ。何故か?それが一番安全で、楽ちんだからです。人を殺すことは道徳的ではない。年寄りはいたわるべきだ。友情は美しい。努力は報われる。こういうのって、いったい何でしょう?どこの誰が、こんな陳腐な法則を考え出したんでしょうね?まあ、人類の九十九パーセントは、こういった理不尽さも鵜呑みにできる鈍い連中ですから、彼らを統治するために、一応のガイドラインを作っておかなくてはまずい……、そう、たぶん、そんな発想だったんでしょう。世の中には、テンプレートが必要なんです。定規がないと、線も引けない連中が多い。何かないと不安なんです。自由な思考、自由な価値観を持つことが恐い。そんな連中で溢れているんです。」」 p375 「「テストでわざと間違えたことがありますか?」」 p389 「「そう……、他人には、そして社会には、そんな理由が、何故か重要なんです。だけど、そんなもの、すべて偽善ですよね。作り物じゃありませんか?まったくナンセンスだ。僕には無関係です。僕には、影響しない。僕の精神、僕の思考は、そんな不確かなものの影響を受けたくない。」」 p394 「「じゃあ、不本意ですが、説明しましょうか。そんなこと、あと十分もすれば無意味になる。僕は無意味なことは嫌いなんです。だけど、今の貴女が望んでいるようなので、今この場のサービスとして、話しましょう。今の貴女はとても綺麗だし、今、僕が作ってさしあげた飲みものと同じ。氷と同じだ。すぐに溶けてしまうし、やがては蒸発するけど、今はとにかく、冷たくて、気持ちの良い飲みものなんだから……。」」 p400 「「貴方は、言葉を駆使して、自分の歩いてきた道の舗装をされているだけよ。」「貴方は、後ろ向きに掃除をしているだけ。」」 p405 「「固定観念で鈍化し麻痺すること、それが、僕の唯一恐れる対象です。」」 p412 「「貴女は率直にものを言う人だ。でも、残念ながら、そういった感情は僕には無縁です。友情ですか?それは、単なる思い込みですよね。実態は存在しない。勇者というのは、信頼できる友人がいる幸せな自分、それを思い描くための小道具に過ぎません。意図的にそう思い込ませている。うーん、つまりは、ドレスみたいなものですよ。それを着ると綺麗に見える、という思い込みです。共通認識、あるいは約束、といっても同じかな。他人にに支配されたい人間、思考を停止したい人間たちの持つ馬鹿馬鹿しい価値観の一つです。」」 p422 「瀬在丸紅子にとっては、その手の嘘は、テストでわざと間違える一問と同じだった。」 p424 「「まあ、しかし、いいからいいから。気にせんといてな。君は君の人生を歩めばよろしい。勝手やし、自由やし、立ち入ったこという気は毛頭ないんよ。そもそも、暑苦しい、言うても、暑いんは私やない。君自身やもんな。」」 p425 「「おや、今日はまた新しいお友達だね。」」 p431 「「ああ、クロネッカのデルタ!」」 p432 「「最先端の自由な発想とは、理由も、言葉も、理論も、まだないところへ飛ぶことなの。そこへ飛躍できた人だけが、そのインスピレーションを掴むことができる。それを凡人が、あとから丁寧に理屈をつけて、そこまで行ける道を作るわけ。」」 p434 「「保呂草さん、そういえば、ニコニコでよく上がったよね。」」 p436 「ネルソンが鳴いたことなど、今までに一度もなかったのだ。」 p444 「「ほら、さっきの法則。」保呂草は言った。「0が二つ入っているから……。」」
あおこ@aoko--092026年3月20日読み終わった何だ、これは。 もしかしたらとは思ったけども。 その後に本物が現れて、普通に馴染んでいくという意味が 受け入れ難いというか、そんなことがあるのか? でも面白かった。 最初は腹たったけど。 紫子さん、自分に似てるんだろなあ…
藤松@seu_ng162025年3月4日読み終わったS&Mシリーズを読み終わったから次のVシリーズへ。 前シリーズにどハマりしてたから楽しみにしてたけどやっぱり期待を裏切らない面白さ。しこちゃんいいキャラしてる。2作目以降も楽しみ
























