観光客の哲学 増補版
24件の記録
saeko@saekyh2025年12月5日「訂正可能性の哲学」と同様、わからないのに面白くぐいぐい読み進められる読書体験だった。 内容は難解で、理解できたとは言えないのでメタ的な感想しか出てこないのだが、氏の物事を構造的に捉え、ある事象の本質を異質なもののアナロジーとすることで解釈を多様に深化させていく、卓越した思考力と独創性に舌を巻くばかり。 今度こそはしっかり理解しようと1行1行気合を入れて読んでいても、その自在な発想力と広範な知識からくる仔細な記述にあっという間にふり落とされてしまう。でも、ほんの少しキーワードくらいは頭に残せたのでよかったと思う。 本書の主な主張は、AかBか、右派か左派か、ナショナリズムかグローバリズムかといった二極化した価値観がはびこる世界において、「AでありながらBでもある」というようないずれかに属しない自由なオルタナティブの提案である。そのコミュニティのウチでもソトでもなく、ただ無責任に楽しんで去っていく観光客のような在り方を肯定することで、世界をより高解像度で捉えられる、ということだろうか? 政治的には対立しながら経済的には関係性を続けていたり、反体制を謳いながら愛国心を持つというような、一見相反する価値観は共存するのだと気づくと、自分のミクロな社会生活に置き換えても葛藤が解消されて少し楽に生きられるかもという気持ちにはなった。
RM@mi_ri2025年9月26日買った読み終わった観光客とは現代社会において何者か、なぜ重要なのか?そもそも今ってどんな時代なのか?普段実践の事例や話を読むことが多いので、哲学の切り口語り口が新鮮で、読んでいてとてもわくわくした。 買ってからメモしながらゆっくり読み進めていたものの、とりあえず全体を読まないとと思って今週一気に読んだ。まだぼんやりしか理解できていないと思う。誤配を生み出す実践についても考えたい。他の著作、関連書籍と並行しながら読み返そうと思う。
くるっくー@reads-543212025年3月18日読んでる読書日記補遺 第9章読了。 タッチパネルの触視的平面。 なるほどなあ。 確かにデバイスによって思考や認識の形態が変わってしまうってことはあるかも。 人間はこの形だから高度な文明を築けたって説もあるし。形は実は思ったより決定的な要因なのかもしれない。 ということは、AIや水槽に浮かんだ脳は肉体を持たないとシンギュラリティは起こせない…のか? 『サーチ』の話は恵まれた人の話だなあと思った。 若く、肉体的にも経済的にも損なわれていない人の世界観だ。 生きるのに人の手が必要な肉体的な弱者になると、PCの画面だけに生息するわけにはいかない。 食べるのにも寝起きにも排泄にも人の手を借りなければいけなくなると、そんな電脳空間だけで暮らせない。 そうか、人類は早く肉体なんかなくしてしまえばいいのか。 そうすれば、介護とかいうめんどくさいことも存在しなくなる。 すべて肉体があるからいかんのだ。 という考え方もあるな。 早くAIに支配されて電気的な信号だけの世界になればいいんだ。あらゆる苦悩がなくなるぞ。 なんというSF。 あずまんは、そうじゃないだろと言っているようだが、私はそうであってもいいなと思っている。 どうせ地球だってあと45億年したら消えるんだし。




















