罪の水際

24件の記録
うーえの🐧@tosarino2026年3月22日読み終わった⭐️⭐️⭐️⭐️ 正義に憑かれた女刑事と、英国の果てに潜む「罪」の連鎖――。 イングランド南東部、ケント州ダンジェネス。原子力発電所がそびえ、「イングランドの砂漠」と呼ばれる荒涼とした海辺の小さな町が、本作の舞台です。 主人公のアレックスは、過去の事件でPTSDを患い休職中の女性刑事。本来は捜査に関われない身でありながら、同性婚パーティでの凶行未遂を防いだことを皮切りに、町で起きた老夫婦惨殺事件の謎に引き寄せられていきます。周囲の制止を振り切り、刑事の業に突き動かされるように単独捜査を進める彼女。点と点だった事件は、やがて町全体を呑み込む投資詐欺事件と、濃密な人間模様へと繋がっていきます。 本作の最大の魅力は、かつて友人の警官すら逮捕したほど「四角四面で真面目」だったアレックスが、法の限界と理不尽な悪を前に、ある究極の決断を下すラストです。彼女をそこまで追い詰めた本当の正義とは何だったのか? さらに本作は、本国イギリスで展開される長編シリーズの1作(第5作目)でもあります。そのため、同僚たちとの絶妙な距離感や、娘との不器用な関係性など、語られざる「過去の蓄積」が随所に匂い立ちます。未邦訳のエピソードに思いを馳せながら、キャラクターたちの行間を想像で補い読み解くのも、本作ならではの贅沢な味わい方です。 CWA(英国推理作家協会)賞最終候補にも選ばれた、現代英国ミステリーの到達点。閉塞感漂うコミュニティのリアルと、傷ついた主人公の人間味あふれる葛藤に、あなたも必ず引き込まれるはずです。
mikechatoran@mikechatoran2025年7月23日読み終わったデレク・ジャーマンのコテッジがあるダンジェネスが舞台であること(『デレク・ジャーマンの庭』でダンジェネスの風景が見られる。本書でもちょっとだけ言及あり)と翻訳ミステリーシンジケートの「五月度ベスト」で挙げられていたことで手に取った。アン・クリーヴス「風」ではあるけれど、本書の主人公はクリーヴスの主人公たちとは事件や関係者たちとの距離感がまったく違うと思う(クリーヴスの主人公たちは温かい眼差しを持ちながら適度な距離感を保つ。そこに余韻が宿る)。というわけで、本書の後半の展開には正直がっかり





















