水晶幻想/禽獣

水晶幻想/禽獣
水晶幻想/禽獣
川端康成
高橋英夫
講談社
1992年4月1日
7件の記録
  • nina
    nina
    @27nina
    2026年4月1日
    禽獣目当て
  • 浮舟
    浮舟
    @ukibune_1991
    2026年3月25日
    川端康成の雪国、山の音、千羽鶴からは想像が付かないくらい物語の描き方が異なる。それは川端の新感覚派、そして新心理主義に挑戦していた時代だからである。しかし、晩年に通ずる虚無と非情の原点はここにある。その中でも特に気になった3作を書いておく。 「水晶幻想」 川端は万華鏡のような世界観を構築したのが水晶幻想。外界(不妊と現実)は一切変わらないが、妻の内面は激しく揺れ動く。不妊であるにも関わらずメイクをしている自分に虚無が現れる。しかし、発生学(命の誕生科学)で行われる人工授精に希望を見出したり、キリスト教における処女受胎と女王蜂を結び付け自然における処女生殖に神聖視を見出したりしている。 かと思えば、夫に抱かれた腕に孤独を感じる事もあるが、発生学研究から連なる犬の交配ビジネスで得た金銭でメイク道具を購入しようとする。 このように不妊という現実、つまり外界は変化しないが、妻の内面には激しく感情の渦が万華鏡のように現れている。 つまり水晶幻想は妻の内面をイメージの連続として描かれており、それはシュルレアリスム的(イメージの連続)であり、キュビズム的(時間軸と多方面の心理)作品でもある。 また、川端康成が32歳の時に、新感覚派から新心理主義に移行している時に書かれているが、晩年に書いた山の音とも似ている点がある。水晶幻想は外界は静止しているが内面は激しい。しかし、山の音は外界は激しく動き、内面は静寂であり、虚無の底に沈んでいる感覚があり、そこに繋がりを感じた。 小説としては難解であり、ストーリーとして崩壊しているが、イメージは流れてくる為、映像小説的な感じで読めました。ただ、僕は普通の小説の方が好きかなと思った。 「禽獣」 人間の普遍的な心理の移ろいを描いている。 人は美しいと感じた人や動物、物に対して自由を奪い支配しながら管理下に置きたいという欲求がある。 それは恋人、ペット、購入物全てにおいて変わらない。 やがて熱狂していた心は鎮まり無関心へと移ろいでいく。生々しい打算や情愛が剥がれ落ちていく先には無機質な無関心が待っている。熱狂から興味を失う忘却へと変化する過程は心理的な殺害に等しい。 そのような人間心理にある非情を的確に表した作品が禽獣であると感じた。 「青い海黒い海」 生と死の概念を海の色として投影した作品となっている。これも情景と感覚の連なりであり、自己意識を海の色に投影する事で心中相手との世界の一致と不一致を探り、その一致しない事実に苦しむ作品となっている。それは意識は途絶えた瞬間から永遠に進まず同化する考え方であり、永遠に同化出来ないと思い込んでしまう事から現れる苦しみでもある。その生と死の意識の狭間における描写を青い海と黒い海で見事に表現しているが、川端康成にしては論理的だなと感じた。でもこの作品は好きですね。
  • ni
    ni
    @nininice
    2026年2月26日
    文章に圧倒されて泣いてしまう事がある。感情的な涙ではなく、息ができないくらいに頭の中にその文章と情景が溢れてそれが表面張力を超えて涙となってこぼれてしまう。「水晶幻想」を読みながら久しぶりにそうして泣いてしまった。この作品の夫人を、わたしの心に住まわせたい。この夫人が今わたしの目の前に実在しないことが悲しい。 二月中、ずっと川端康成の作品を読んでいる。何故かやめられずに図書館にあるものを片っ端から読んでいる。中には自分の倫理観とは相入れないものも多く、そういう時は文句を垂れつつも、読み続けてしまう。そして、読み続けてきて良かったと、この「水晶幻想」を読んで歓喜した。これは長いこと探し求めていた理想の作品だ。好きな一節をここに引用しようとしても、それは作品全てになってしまうので、切り取る事が難しい。 「空がこんなに綺麗に写るから、私の顔だつてほんたうより綺麗に写るでせうつて、この鏡はものを綺麗に写す鏡なのよ。」 「子供がほしければ、胎外発生の方法を早く見つけたらいいぢやありませんか。発生学者なら、母方の血がまじらない、純潔に父方の子が出来るつていふ、童貞生殖の夢を見ながら、子供なしに死んでゆく方が、どんなに美しいでせう。それなら、神と戦つた人だけれど。」 水色の月光のなかに沈んだ、エナメルの手術台。月の光が降るやうに、海の底に降りそそぐウウズ球形虫の死骸の雨。とこしへに止むことのない、たとひ空中に降つたにしても、人はそれを感じることも出来ないほど軽い死骸の雪白な雨が、音もなく、そして夜も昼も絶え間なく、海の底に降りつづけてゐる。海底電線の上の白い亡骸、それが教へる、百年に一尺の割合で積る、と。昔の海の底が、今は白亜質の山。イギリスの南の白墨の崖。遥かなる時の流れ。白墨。女学校の黒板の花の絵。 「私をいろんなものに譬へるのは止して下さい。」 水がねや柘榴のすます影なれや鏡と見ゆる月の面は 「お釈迦さまは偉かつたけれど、ほかの生きものに生れ変るのを罰としたことが、あなたより薄つぺらだわ。」
  • やみー
    @turedurenooto
    2025年10月25日
    川端康成の初期短編八篇。川端作品のなかでも「死」そのものに近い作品が多い印象。奥底に大きくていつまでも溶けない氷がある感じ。
  • 甲賀
    @ko-ga
    2025年4月26日
  • 敗荷
    敗荷
    @sibue_fjodor_
    2025年4月19日
  • シェラ
    シェラ
    @8shiela8
    1900年1月1日
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