文章のリズムが軽やかで非常に読みやすく、先が気になって気になって、結構一気に読みきった。

川端康成の初期短編八篇。川端作品のなかでも「死」そのものに近い作品が多い印象。奥底に大きくていつまでも溶けない氷がある感じ。

眠れる美女にも言えることだと思うけど、川端康成が描くと妖しさ美しさが際立ち、それ大丈夫？？な行動や言動もひとつの作品として見事に昇華されてしまう。

当時この作品を読んで夢中になった子供たち多かったであろうことが頷ける。面白い。

作家の貌の章を目当てに購入。川端康成の目と文を通して語られる作家たちと、その対象の作家への川端からの愛情というのか、時折覗くやさしさのようなものが感じられてとても良い。

夜の底が白くなった。 自分のなかからはきっと出てこない表現で何度読んでも震える。

こんな風に旅に出られたら、と羨ましくなる。

まだ読み始めたばかりだけど、自分が普段どのように文章を読み、理解をしている(つもり)なのかが丁寧な説明によって少しずつ解明されていく感覚。この本を読むことで読解力がすぐにつく訳ではないとはじめに記されているが高上する一助にはなるのでは…と期待。