BLANK PAGE 空っぽを満たす旅
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akamatie@matie2025年12月18日読み終わった芸能人であり、時代を象徴する両親をもつ稀有な作家が抱える空虚とは何なのだろうと興味をもって手に取った一冊。 著名な人たちとの対談を通して語られる両親のことや寂しさ、空虚さは、有名人の子どもとして生まれた人にしか分からない感覚だと思う部分もあれば、子どもの頃に置き去りにしてきた寂しさのように、多くの人が抱えながらも忘れてしまっている感覚なのではないかと思う部分もあった。 印象的だったのは、養老孟司が40歳を過ぎてようやく、人に別れの挨拶がうまくできない理由が、幼い頃に亡くした父に別れを告げなかったことへの罪悪感にあったと気づいた、という話だ。あれほど聡明で、言葉をもって世界を説明してきた人でさえ、トラウマと向き合うには長い時間が必要なのだと知り、救われる気持ちになった。同時に、両親を失い空虚を抱える人に、そうした言葉を差し出せる老齢の男性がいることにも、希望を感じた。 空虚さはきっと、死ぬまで消えることはないのだろう。それでも、その空虚とともに生きることで、失った人と別のかたちで繋がり続けることはできるのかもしれない。そんな感覚を覚える一冊だった。











