絵画をみる、絵画をなおす 保存修復の世界

12件の記録
- まめご@mmg_862025年9月16日読み終わった修復家の仕事とは、そもそも修復するとはどういうことか、近年増えている絵画や彫刻のような定まった形を持たない作品や経年変化も要素として含まれる作品を、これからどう保存修復していくのか、修復家であり修復そのものの研究者でもある著者が丁寧に説明してくれる。 読者の対象が小学校高学年からのようで、普段知る機会のない修復の作業についてや、概念的になりがちな芸術学に関わる話もとても分かりやすい。 作品や美術史を解説する本は今までも読んできたけれど、修復についてきちんと説明してくれる本は思えば初めてだ。 美術館で、目の前の作品が作られてから今ここにくるまでにどんな経験をしてきたのかにも思いを馳せられると、もともと好きな美術鑑賞がさらに楽しめそうで嬉しい。
- rina@r_1_n2025年9月5日読み終わった図書館本図書館の児童書コーナーで見つけて借りた本。 子ども向けということもあってとても読みやすく、初心者にはピッタリだった。 「修復家は、つぎのだれかにバトンをわたすリレー走者のようなもの。」という言葉にグッときた。
- 読書日和@miou-books2025年5月7日読み終わった漢字にルビが振ってあるし、児童向けだと思うけれど、絵画に疎い私にはぴったりの内容でした。 おすすめ本です。 大切なことは何度も繰り返してくれるし、分かりやすく説明してくれるし、こういう本に子供の頃出会っていたら、どうだったかなぁ?とか思ったり。 それにしても「展覧会コンサバター」というお仕事、この本で初めて知りました。 ちょっと前に彬子女王の「赤と青のガウン」で大英博物館のコレクションに関わる部分を読んで、知らない世界を知ったつもりになっていたけれど、世の中まだまだ知らないことって多いよね。 修復家の一番大切な仕事は、目の前の作品を「きれいにする」「元の状態に戻す」ことではなく、作品が「どのように作られたのか」解明すること。覚えておきます。 今でも過去の偉大な芸術家たちの作品を目にすることができるのは、修復家のおかげ。 芸術に携わっているけれど、自分を前面に押し出すことなく、あくまで次の時代へバトンを渡すリレー走者のような立場でいること、こうした目に見えない修復家たちのおかげなんだと思うと、美術鑑賞をするときの目線、心構えも変わってくる(気がする、せっかくなので実践したい)。 巻末のブックガイドもメモしたので読まねば。