蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫 むA 2)

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫 むA 2)
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (講談社文芸文庫 むA 2)
久保忠夫
室生犀星
講談社
1993年5月10日
11件の記録
  • 遺作となった詩「老いたるえびのうた」は詩集のほうで読んだことがあったけど、改めて何度読んでもいい。しかし「蜜のあわれ」よかったなーーー。
  • 水
    @en_sui_
    2025年4月1日
  • 「われはうたえどもやぶれかぶれ」、詩作に蹴躓くようになった老作家が、とにかく尿が出ないことに苦しみ、自分の金玉がとつぜん愛おしくなって手のひらであっためてみたり、入院先の放射線治療中に女のことを考えようとするもなかなか想像のなかに女が現れてくれず、我が欲望も潰えたかと思いを馳せたり、放射線治療室へ行くためのエレベーターをいつも先取りして一緒に乗せてくれない別の患者に殺意にも似た怒りを抱いたりと、老身の悲喜こもごもすったもんだが延々続く。志村けんのアル中コントをなんとなく思い出す勢いがあって、ずっと不憫なのに笑ってしまう。
  • 「蜜のあわれ」、主人公(≒晩年の犀星)の飼っている金魚が20歳くらいの艶やかな女性として描かれていて、その金魚(女性)と主人公の会話だけで作られた小説なんだけど、金魚、人型に化けているのかと思いきや金魚そのままでいるかのような会話になるし、かと思えば「歯医者に行ってきた」みたいなことを金魚が言うし、と思ったら今度は「このまえ木のうえを泳いでいるのを見た」みたいなことを主人公が話すし、ずっと姿形がゆらゆらしてる。そしてとってもエッチ。とってもエッチですごく楽しい。
  • 「蜜のあわれ」、老いてもなお盛況な男の性欲について思いを馳せたり、金魚が他者に人並みに扱われてにこにこしている様を読んでマイノリティの生を感じたりと、ずっとエロエロな展開ながらなかなかに味わい深い。そう思うと、主人公にときに強引に甘えまくる金魚は、主人公以外に甘える相手がいないさみしさを醸し出してもいる。
  • あめのや
    あめのや
    @Ame2
    2025年3月7日
  • なぎさ
    なぎさ
    @azk1225
    2025年3月6日
  • 湖上
    湖上
    @l_etranger
    2025年1月1日
  • トコイ
    トコイ
    @g_tecolote
    2022年11月4日
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