新訳 大いなる遺産 上
14件の記録
まえしゅん@maeshun_19792026年9月14日読み終わった面白い! 魅力的なキャラクターが次々登場し、ユーモラスであると同時に、格式高くもある文章がそれを彩る。 プロットの楽しさはさることながら、この文章を目で追うこと自体が、とても心地の良い読書体験をくれる。 ピップの揺れ動く青年期の心の有様が非常に良い。特に愛すべきジョーとビディーに対して徐々に心変わりし、一種の見下しを込めて遠ざけようとする心境には歯痒くも切なくなった。 好きなキャラはビディーとエステラ。それぞれ故郷/ロンドンを象徴するような名ヒロインだと思う。 清楚で寄り添う幼馴染のビディー、高慢で美人な憧れのエステラ、両者とても可愛い。 河辺でビディーと過ごすシーンは滅茶苦茶萌えた。また、故郷を去るシーンもまた良かった。 恐らく伏線回収が始まるであろう、下巻も楽しみ。85点。
きくへい@KikuchiKohei2026年5月31日読み終わったJ・アーヴィング『ひとりの体で』を読んでいたら、この『大いなる遺産』の話が繰り返し出てくるので、まずは『大いなる遺産』を読んでからにしようと思い手に取ったが、なかなかうまく読み進められなかった。難しいわけではないが、時代背景もあって考えることが多く、時間がかかってしまった。 内容について。 ピップがエステラにどうしようもなく心惹かれてしまう一連の描写、そして自分の身分や出自に劣等感を抱く過程と、その巧みな表現は素晴らしい。フィクションだとわかっていても心が痛む。本物で最高のフィクション。

CandidE@candide_jp2025年6月28日読み終わった新訳を読む。 「ピップ、愛しい相棒、人生は数えきれねえほど多くの部品が溶接されてつながってできてるもんだ。それで、ある者は鍛冶屋、ある者はブリキ職人、ある者は金細工師、ある者は銅細工師だ。そういった区分がねえといけねえ。そりゃ受け入れねえといけねえ。今日、何か粗相があったら、そりゃ俺のせいだ。おめぇと俺とは、ロンドンで一緒になるべき人間じゃねえ。一緒におれるのは、俺たちだけの、仲間内の、見知ったところでだけだ。別に威張って言うわけじゃねえが、俺はちゃんとしていたい。だすけこんげな服でおめぇに会うことはもう二度とねえ。俺は、こんげな服、着てちゃだめなんだ。俺は鍛冶場から出ちゃだめなんだ。鍛冶場から、台所から、ぬめ地から出ちゃだめなんだ。俺が鍛冶場の服着て、この手にハンマー握ってるところ見たら、いやパイプだってかまわねえ、そんげな俺見たら、おめぇは今日の半分だって俺んこと、だめなやつとは思わねかったはずだ。もし、今後俺に会いてえと思うことがあるとしたら、鍛冶場の窓から覗いて、鍛冶屋のジョーがそこで古い鉄床ん前で、焦げた古いエプロンつけて、相変わらずの仕事守っているところ見てくれたら、この俺だってそれほど捨てたもんじゃねえってことはわかるはずだ。俺はば ーか鈍いけんど、どうにかこうにか今、まっとうなこと叩き出せたんじゃねえかな。そうせば、元気でな、愛しい懐かしいピップ、なあ相棒、神様のご加護があるように!」










