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きくへい
@KikuchiKohei
  • 2026年2月21日
    花の命はノー・フューチャー
    聞くところによると、幸せとは資産や社会的地位そのものよりも、人との繋がりだったり、自分らしさを受け入れられているかに寄るところが大きいらしい。貧乏人も希望が持てるので非常に喜ばしい。 この本を書いている頃のブレイディさんはまさに貧困。イギリスの労働者階級家庭。問題ならばそこら辺に転がっているという環境のようだ。その中でパンクスピリットを発揮して日々の生活をサバイブして、家族や友達に感謝している様子が伝わる。幸せとはこういうものだ。 お金がないことを嘆くのはやめられないが、家族やコミュニティに感謝して、このしがない自分を受け入れようと思った。頑張ろう。
  • 2026年2月15日
  • 2026年1月25日
    アフリカから来たランナーたち 箱根駅伝のケニア人留学生
    圧倒的力作っ! 読みながら、著者に拍手を送りたくなる瞬間が何度もあった。 様々な議論を呼ぶケニア人ランナーという題材を、本作は問題点や軋轢だけでなく、その功績や一人ひとりの人間性も含めて丁寧に描き出している。とりわけガル高校について掘り下げた章は圧巻で、限られた情報を丹念に積み上げ、構造を明らかにしていく過程には、ミステリーを読んでいるかのような快感がある。清濁を合わせ飲みながら、なんとかケニア人ランナーを日本に送り込む仕組みを確立させていく様子が伝わってくる。 本作を貫いているのは、ケニア人ランナーも一人の人間であり、一人の学生であり、それぞれに人生や生活があり、駅伝に勝つための道具ではない、という極めて当たり前の視点である。しかし、その当たり前が、日本の駅伝文化や教育の現場では長く後景に追いやられてきたのではないか、という問題意識が本書の核にある。 アフリカ人ランナーが先頭を走っているにもかかわらず、テレビ中継のカメラが後方を走る日本人ランナーばかりを映す。これは日本のマラソン中継ではおなじみの光景だ。アフリカ人ランナーを特別な存在として、他者として、桁違いのものとして認識し、日本人の中だけの勝負に閉じてしまっていたことが、日本陸上界の低迷を招いてきたことは明らかだ。ケニア人ランナーの人生や人間性を知ることが、彼らを我々と同じ存在として感じることにつながり、それこそが陸上界の発展に必要なのだという提言を、本書は行っていると受け取った。
  • 2026年1月18日
    回転木馬のデッド・ヒート
    村上春樹的な気持ち悪さをある程度許容できる自分でも、この本は気持ち悪すぎた。雨やどりが特にやばい。気持ち悪すぎ。 全体的に面白い話もない。自意識が暴走して自分を良く見せようと書かなくてもいいことを書いて冗長になっている上に、気持ち悪さが増している。 村上春樹の中では失敗作と呼んで差し支えない。
  • 2026年1月9日
    イン・ザ・メガチャーチ
    「これを小説と言ってよいのだろうか」と思いながら、読み進めていた。 物語のために文章があるというよりも、主張を伝える手段として物語を利用しているという側面が非常に強い文章だからだ(ザ・ゴールみたいなビジネス小説に近い)。 推し活の構造、陰謀論にハマる心理、中年男性の孤独とケアの問題、家族愛の不在といった社会の仕組みや問題を伝えるための器として物語が使われている。説明は非常に丁寧で、因果の糸によって全体が明確につながって、読みやすい。味噌汁の味噌を溶かすモチーフが、脳みそが溶けていく様子のメタファーとして機能している点など、小説的技巧も効果的に用いながら、情報が論文のように整理されて、非常に構築的な文章になっている。主張は明確で、情報を読者に伝えるという点においては極めて親切な構成である。 一方で、因果関係があまりに単純で、慶彦、澄香、絢子がそれぞれの世界にハマっていく過程に説得力を感じられず、現実離れした印象を受けた。その結果、小説世界に深く入り込むことができなかった。孤独や貧困、居場所のなさが、推し活や陰謀論、中年男性の暴走に直接的につながるという描写は、さすがに単線的に過ぎる。 文章としては最高に面白かったが、小説としてはイマイチ、というのが妥当な評価ではないか。もっとも、著者自身もこれを純粋な小説として評価してほしいとは思っていないのではないか。文章として最高に面白い、それこそが全てで良いのだと思う。物語を使って人を心理的に操作するというのはこの本が言っているそのものだ。 文章テクニックとして良かった点がひとつ。会話シーンにおいて相手は話しかけているが、話しかけられている本人はその言葉を聞いておらず、別のことを考えている、という場面が複数回登場する。これは非常にうまい使い方だと思う。相手の会話によって物語に必要な背景情報を伝えつつ、セルフトークが物語を強烈にドライブしていく。 結論として、小説かどうかはどうでもいい。面白かった。 ただ、こんなもん読んだだけで推し活や陰謀論が分かったつもりになってはいけない。あれはもっと根深い。あと、中年の暴走が一番怖い。それは非常に共感。中年は気をつけよう。
  • 2026年1月5日
    なぜ社会は変わるのか はじめての社会運動論
    最初から最後まで、著者の情熱を感じる本であった。この本を書くこと自体が、著者にとっては社会運動の一部なのだと思う。つまり、社会運動が決して盛んではないと思われがちな日本においても、実際には社会運動が至るところに存在している身近なものであり、一人ひとりが社会を変えているのだということを伝えることで、読者の社会運動に対する見方を変革しようとしている。 また、社会運動論を日本に膾炙させることによって、我々が社会を社会運動論の視点から捉える力を身につければ、日本社会はより良い方向へ変わっていくだろうという著者が必死に伝えようとしていることがわかる。 社会運動についての本だと思って手に取ったが、実際には社会運動論の本であり、読むには想定以上の労力を要した。しかし、その労力をかけるだけの価値は十分にある。 同時進行で読んでいる、和田静香「中高年シングル女性」(岩波新書)ともリンクする。中高年シングルという自称はまさに集合的アイデンティティだなと読みながら思った。本当に世の中は社会運動に満ちている。
  • 2026年1月4日
    羽田圭介、家を買う。
    「早く家買えよ。前半は資産運用の話ばかりじゃないか。」とも思うが、実際に家を買うとはこういうものだろう。 特に著者は家で小説を書くために、色々な条件がある。また、住んでみてはじめて気付くことがあるのも深く共感する。安っぽい内装も嫌だというのも非常にわかる。嫌だよね〜。 この本からいうと未来に生きているので、その株持っておけばとか、このタイミングでマンション買っておけばとか、色々思う。 投資や家探しに関して、後から冷静に振り返る作品は多いが、この本は進行形で頭の中を見せてくれる作品で、それがこの本の魅力なのだと思う。
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