多和田葉子の地図

11件の記録
- mikechatoran@mikechatoran2025年7月28日読み終わった多和田葉子の作品をベンヤミンやラカン、ドゥルーズ+ガタリなどの理論から分析した本。わりと最近読んだ『旅をする裸の眼』は最終章で不可思議な展開を見せるのだが、このように分析されてみると、目からウロコだった。小説はどのように読んでもよく、正解はないわけだけれど、こういう分析本を読むとこちらの読みも深まってより楽しめるのはうれしい。とても読み応えがあった。
- りなっこ@rinakko2025年7月15日読み終わった素晴らしい読み応え。多和田葉子の代表作が、世界文学としてベンヤミンやラカン、ドゥルーズ+ガタリなどの理論を援用しながら読み解かれる。クィア/フェミニズム的モチーフ、動物への生成変化、エクソフォニーとノマディスム… 其々の理論を読むのには時間がかかったけれど、「なるほどそう読めるのか!」と驚嘆の連続だった。それによると、私の大好きな作品『飛魂』の女たちの群れは、亀鏡を中心としたシニフィアン的体制からなるミニ国家で、そこからこぼれ落ちるのが音読派の梨水の存在だった。『旅をする裸の眼』の夢幻能の形式にも驚いた。