メアリ・ヴェントゥーラと第九王国 シルヴィア・プラス短篇集

19件の記録
- ゆらゆら@yuurayurari2025年6月26日読み終わった本屋さんで手に取りパラパラ読んでみたら、なぜか引き込まれ、そのままレジに。腰をすえて表題作を読んだら、とても具体的なのに“肝心なこと”は何も語られてなくて、だからこそ、それぞれいろんな意味を付与して読むこともできるすごい短編。「不安の感覚」と、「そこからの逃避」みたいな印象で、詩が有名だという作者ならではなのかなとも思った。訳者あとがきで作家の伝記的事実を知ると色々わかることもあるけど、今の自分にはただ読むだけで、訴えてくるものがあった。 (22.5.31読了)
- ricochet@ricochet2025年4月24日読み終わった借りてきたプラスを初めて読むのに短編集からでいいのかとちょっと思いつつ、私は短編が一番好きなので。 マンスフィールド的な繊細さや会話の妙に加え、ふわふわと雲の中を歩いているような軽さと不安が漂う。一歩間違えると底を踏み外しそうな。実際、ほとんどの作品には死が現れる。表題作も、自立の物語にしては随分と不穏で(茶色の服装で黄緑の毛糸を編む女性は地母神的な存在に見えるし、メアリを「取り分」にしたのではないかと思われる)、プラス自身の人生を思うと何ともいえない気持ちになる。しかしメアリの決断の瞬間は輝かしいし、この不穏さと若さの入り混じった空気感は好き。
- gato@wonderword2025年3月16日読み終わった面白かった。特に「ジョニー・パニックと夢聖書」は久々にキく短篇読んだ!って感じ。皆川博子の「メキシコのメロンパン」を連想させる「みなこの世にない人たち」の空気感もよかったなぁ。