紙の動物園
18件の記録
紫嶋@09sjm2026年5月13日読み終わった借りてきた氏の出世作を含む全17編の短編集。ボリュームたっぷりで、読み応えと満足感が素晴らしく、ページ紙のセピアカラーの色合いもたまらない。紙の本で是非読んでほしい一冊。 全体のジャンルとしてはSFで、いくつかはほんのりファンタジーであったりヒューマンドラマであったり。自由で柔軟な無限の広がりを感じる発想と、人の心理の繊細な描写が光る。 作者の生まれと文化のルーツである中国や、周辺の日本を含む東アジアの描写、価値観、宗教観などを積極的に取り込んだ作風は、不思議な心地よさや馴染み深さ、ノスタルジーのようなものすら感じた。 時には欧米人からアジア人に向けられる容赦ない差別の眼差しや、中国・台湾が戦時中に経験した苦しい歴史にも触れられており、そうした描写に日本人として胸が痛む。 ハリウッドで映画化されるような、欧米的SFとはどこかテイストの異なるSFに感じたのも、もしかすると作品の中にどこか香る東アジア的な考え方、価値観によるものなのかもしれない。 たとえば近未来的技術の果てに辿り着く境地はどこか悟りにも似て、人間の進化の先で新たな姿形へ変容する様子も輪廻転生を思わせる。 その中で迷い、葛藤し、後悔し、時に自己犠牲的な選択すら厭わない人の姿に惹かれた。 この一冊を読んだだけでも、作者の生み出す物語や世界観にグッと魅了された。 他の短編集も是非読んでみたいと思う。
飴田@hukuro_neko2025年10月25日読み終わった図書館で借りた全15編。特に印象に残った話について。 『紙の動物園』 初手でぼろぼろに泣いてしまった。 『結縄』 誰かの都合でまわっている世界にやるせなさを感じるけど自分たちはト・ム側(の恩恵を受ける側)にいることを忘れがちだ。 『心智五行』 オチも含めて個人的に一番好きな話。あと主人公に親身なAIが出てくると弱いんだァ~私は。 無意識に自分が主人公側だと思っていたことによりどんでん返しを食らい、二周目から抱く印象が変わって面白い。 『円弧』 あとがきより、不死をテーマにした2編のうちの「地球編」。 個人的にはこちらの方がより好きでした。 『文字占い師』 立場も年齢も越えた交流にあたたかさを感じつつ、ここまで13編読み進めていていやいやこのままお綺麗にすんなり終わらないよな…と思い、構えては、いた。一番しんどい読後感。未来に希望を願ってやまない。 『良い狩りを』 想像してた物語の方向性からそっちに行くんだ!?となって面白かった。うお~ 何より最後がこの話でよかった…(文字占い師でだいぶ食らってしまったメンタル)
Pipi@Pipi08082025年4月27日読んでるあぁ、これは好きだな。「紙の動物園」感動系SFとでも言おうか。母の孤独。母の息子への想い。じいんと来た。魂を揺さぶる。「もののあはれ」も情緒的。俳句や漢詩を織り込みながら、西洋とは違ったヒーローを描いている。不思議で魅力的な世界観。読了したい。🐥
CAza@reticulum4122018年10月26日読み終わった感想KindleSFと言うとみんな近未来や宇宙が舞台なのかと思っていたSF初心者ですが、こちらの短編集は、未来の話もあれば、どこか古さを感じる時代背景の中にある不思議な話であったり、飽きなかった。 個人的には、「波」から後半に好きな物語が多かった。











