鳩の撃退法(下)

鳩の撃退法(下)
鳩の撃退法(下)
佐藤正午
小学館
2018年1月4日
4件の記録
  • 夏しい子
    夏しい子
    @natusiiko
    2025年3月8日
    面白かった。 無駄話が多いところ、私は嫌いじゃない。 これに関しては好き嫌いが分かれるところだろう。 にしても津田は、とことんいい加減で女からするとイラつく男だ。 津田に全く惹かれず、ガツンとやってくれる加奈子先輩はイイ! 鳩に関しては途中で、なるほどと分かる。 津田の話として、続編が読みたいぐらいだ。
  • 白玉庵
    白玉庵
    @shfttg
    1900年1月1日
  • 咲
    @lunar_mare
    1900年1月1日
    上巻の始めからずっと、あなた、あなたと、読者は小説から呼びかけられながら読み進める。 そして終盤。 「な、聞こえているか。僕のことばは、あなたに届いているか?」 「読者のつかない小説は、書いても書いても未完成か?この小説の存在は、無か?ひとに読まれない小説をなんのために書いているのか、理由がわからない。わからないままここまで来てしまったと、あなたには伝えておきたいのだ。伝えておきたいのだ、と強く書いても、読むひとがいなければどこのだれにも伝わらないわけだが、それでもあなたに聞いてほしいのだ」 孤独な小説家は、よりにもよってひねくれて、大衆に愛された「ピーターパンとウェンディ」の引用を、この、誰が読んでくれるかもわからない小説のいたるところに散りばめた。 ピーターパンは、そこに大勢の読者がいると疑いもなく信じ、子どもたちに向かって「もし、きみたちが信じてくれるなら、手をたたいてください。ティンクを殺さないでください」と呼びかける。 そして、当然のように、ティンカーベルは息を取り戻す。 そんなことを信じて小説を書けたならば、どんなに世界は違って見えることか。 表紙にコーヒーの染みがついたピーターパンは、紛失しても、手放しても、そのたびに津田伸一の手もとに戻ってきた。 伝書鳩のように。 運命は丸い池を作る。 池を回るものはどこかで落ち合わなければならぬ。 事実を曲げて書いた小説が、つまり現実から遠ざかろうとしたストーリーが、一周して現実の先へと出てしまう。 気がつくと、うしろから現実が抜き返そうと追ってくる。 本書もぐるぐると時系列を何周も回り、最後はまた、何も知らなかった頃の津田伸一に戻ってくる。 同じところを回りながら、微妙にずれた軌道を描き、雪上の轍は深さを増していく。
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