反出生主義入門
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虚宿@kyoshu_1632026年6月13日読み終わった途中で生きることをやめること、そもそも生まれてこないことは別物になる。 苦を感じること自体が良くなく、それ自体をなくすために子どもは生まれないようにする 反出生主義者が悪と考えていることが、これから産まれてくる子どもも悪と考えるのかはわからない- はるか@rlha_tinue2026年6月8日読み終わった私は物心ついた頃からずっとうっすら希死念慮に付き纏われながら暮らしている。 「消えたい」「死にたい」というような。 この先の人生でどれほど楽しいことが待っていようとそのために苦しみを享受しなければならないのであれば、楽しいことにそれほどの価値はないし、だから消えたい、そう思っていた。 ただ、いつかの日記に、「生まれてこなければよかった、と言うには私の人生には心から楽しいと思えた瞬間が決して多くはないが、あって、そうは言い切れない。」と書いていた。 この本を読んで「始める価値」と「続ける価値」を区別して認識できるようになったのは大きな収穫である。 たしかに私の人生は始める価値はなかった、これは揺るぎなくそう思っている。しかし、続ける価値がないかと問われたらそれに対して明確に結論づけることはできない。「わからない」のだ。 でもそれでいいのだと思えた。「わからない」と答えを保留にしておくうちは、少なくとも人生を続けてみようと思う。 希死念慮が付き纏っていたり、生きる意味についてクネクネと考えてしまったりする自分に辟易したりもするが、それはもしかしたら私が「良く生きたい」と強く願っているからなのかもしれない。 私なりの人生に対する真摯な対峙なのかも。 ---- 反出生主義へのよくある否定的な反応として、「生まれてこないほうが良かった、なんていうなら、さっさと死ねばいいのでは?」というようなものが挙げられる。 それに対して筆者(というかベネター)は始める価値と続ける価値の区別を挙げる。 例えば、休日映画館に来たとして、観始めた映画があまりおもしろくなかったら「来なければよかったなあ」と思うかもしれない。しかし、だからといってすぐに映画館を出ていくとは限らないのではないだろうか。 映画の評価として「即刻観るのをやめるほど最悪」(続ける価値がないと判断する)と「わざわざ観に行く価値はなかった」(始める価値がなかったと判断する)というのはまったく別の基準で判断されるからだ。 ベネターの考え: 生まれてきてしまうと誰しも人生の中で、風邪を引いたり怪我をしたりしてしまう。それらは紛れもなく「避けたいこと」「嫌なこと」であり、苦痛でしかない。また、生まれたら必ず死ぬ。死ぬことに通常は恐怖を伴うし、多くの場合苦痛も伴う。そういった苦痛は、生まれれば確実に味わうことになるが、生まれさえしなければ、被ることはない。「それでも始めた方が良い人生なんてあるか?」 →ベネターは生を永遠の相のもとに判断する、究極の客観的判断が可能であるような前提で話しがちだが、実際には生に対しての価値の判定は難しく、客観的に決定できるものではないのではないだろうか とはいえこのような反出生主義的なネガティヴなスタンスは、ときにポジティブなスタンスよりも優しく誠実である 「すべからく人生に始める価値はなかったのだ、楽しく生きているような人は勘違いをしているだけだ。苦しいかもしれないがあなたは正しい認識を持っている」と語ることがどれだけの慰めになるだろうか 「これから幸福になれる、頑張ろう」という方が無責任かつ残酷ではないか? →筆者は「生まれてこないほうがよかったか?」という問いに対して「わからない」というスタンスをとる 有史以来わかった人などいない それでも、「良く生きたい」と思うのであれば、自分の生に向き合うしかなく、自分の生を哲学するしかない 良く生きようとする人には最期まで「自分にとってどう思えるか」を考えていくということが要請される そういった要請も、地獄の、人生の、人間の苦境の一つでしかないとしても。 その他のトピック: ・ベネターは「生きていくこと」よりも「子どもをこの世に生み出すこと」に反対しているっぽい ・反出生主義は「生まれてこないほうがよかった」と訳されがちだが、『Bettter Never to Have Been 』なので、「生まれてこないに越したことはない」的なニュアンスで、「始める価値」の話をしている

bluebird@Reads_02292026年5月24日読みかけ積読子供を産みたいと思えない自分に、ひとつの形を与えてくれた本。 反出生主義とは、全ての人間は生まれるべきではない、よって子供をつくるべきではないという思想。 「学術論文を書こうという人以外は、本書を読めばベネターの『Better Never to have been』を読んだものとして考えてよい」との著者のお墨付きがあることからも窺えるように、本書の議論は簡単ではなかった。また読むタイミングがくることを待ちつつ、読みかけ積読にしておく。
Magmel@magmel2026年5月23日読んでる「生まれてこない方が良かった」は悲観的なのではなくマイナスを生まないゼロの状態をマイナスより「よりよい」と考える哲学である、というような話。 妊娠の人工中絶は倫理的に「善い」といえる、という論で目から鱗。女性/母体という存在に出産という命懸けで他人を生み出す機能がある以上、新しい命と母体の命や尊厳が天秤にかけられるという不平等の原理にもきちんと触れている。 まだ序盤を触っただけの体感だが中絶に関する議論をおおまかに整理して紹介してくれており読みやすい。
Joyco@Joyco2026年5月4日読み終わったそもそも、を考えた時にたどり着いたこの、反出生主義という概念。考えるほどになんとも苦々しい気持ちになったが、産むことに対しての考え方が少し和らいだ気がした。

こたつ@pgrpgar2026年3月17日読み終わった「生まれてこない方が良かった」とあるが、趣旨は「早く死んだ方が良い」ではなく「子供を産むことは倫理的ではない」ということだ。 人生を映画に例えて、「見るんじゃなかったと思う程度には見ているのが嫌になるが、かといって映画館を出るほど苦痛ではない映画」というのはよく理解できた(私もよくそれに近いことを思う)。見始めたからには色々その映画の楽しみ方を考えるかもしれないけど、始めから見るんじゃなかったと思う映画と知っていたらそもそも見ない(=生まれてこない)とは思う。 一般的には受け入れ難い論だし、私も読んでいて「それは飛躍しすぎでは……?」と思うところも多々あったが、我々がなんとなく前提としている「子供を産むのはいいこと」という考え方を今一度この機会に「本当にそんな軽々しく良いことだからと子供を作っていいのか?」と疑って考えてみることは必要かもしれないなと思った。 社会の暗黙の了解みたいなものを一度疑って考えてみたい人にはおすすめ。
- りん@rin___2026年2月22日読み終わった「子どもを産むのは倫理的に悪である」 という直観的とは言いがたい主張の論拠がどこにあるのか、理解したいと思って読んだ。 平たく言えば、「この世は地獄だから、新しく苦しむ存在をもうけることはよくない」ということだと理解した。 言い換えると、反出生主義は苦痛を受ける人はいない方がよいという直観的な主張に支えられているのであり、一見したときの受け入れがたさとのギャップが興味深かった。 その受け入れがたさゆえ、当然さまざまな反論が湧き上がるが、本書内ではそれらを一つずつ潰していく形になっている。 本書はベネターの『生まれてこない方が良かった』の解説がベースだが、むしろ著者の哲学研究者・生活者としての自己反省的な態度が大変印象に残った。 男性として、権威主義的なアカデミアにおいて、反出生主義を研究し主張することの葛藤が随所に見られる(註の中で自分のことを「確実に差別主義者である」とまで言い切っている)。 本書をある程度理解しながら読み切ったが、自分も反出生主義者として子どもを産むのをやめようとは思わなかった(自分がマジョリティで男性の立場からこれを言うことの暴力性は棚に上げている)。 著者はベネターの論を支持しつつ、とは言え現実的でないとして不可知論的アプローチ(生が良いのか悪いのかわからない)を主張する。 生が悪いものかもしれないのだから、これから生まれてしまう将来の世代にとってこの世を少しでもマシな地獄にする責任がある、ということだが、これには心から共感できる。 反出生主義自体の実践はおそらくしない(結果的にしているかもしれない…)が、その根底にある人権への意識や、もっと広く言えば存在するものへの愛は持っていたいと思う。


曖昧模糊@sukonbu_uo_ou_2025年9月8日読み始めた読んでる20代後半になり、ランドセルを背負ってともに学校に行っていた知り合いたちが、結婚出産を経験しているのを目の当たりにし、自分の人生の中でのこれらについて、以前よりも現実的に考えることが多くなった。 特に出産については、複雑に考えてしまいがちで、整理がつかないことがあるので、気になっていたこの本を読んでみることにした。 1章 「反出生主義にふみ込むまえに」を読む。 「倫理的に出生を考えることとは」という話から始まり、中絶に関するいくつかの議論を紹介。自分が、出生に対してどのような視点を持っているかに向き合えた。次の2章からベネターの思想に触れる。

















