ブラックボックス

9件の記録
- 創@hajime_82025年6月13日読み終わった特に後半、読んでる間中ずっと緊張していた。 サクマと自分はバリエーションだという気がする。 台車が倒れるあの場面、光があって風が吹いた、というイメージが自分のなかで広がった。 読んでよかった。 ちょうど高橋源一郎の『一億三千万人のための『歎異抄』』を読んでいたので、宇宙意志だ、と思った。 「ずっと遠くに行きたかった。今も行きたいと思っている。今いる場所は、自分が離れたかったところからとんでもなく遠いようにも、一歩も動いていないようにも見えた。」p73
- おこめ@ufufu3052025年5月21日読み終わった序盤の疾走感と、後半からの急展開が読者を飽きさせず良い。 100人の人間に関わったら1人いるかいないか、200人関わったら絶対に1人いるタイプの人間を描き出す。セルフコントロールってどこで身につけたんだっけ? どこか遠くに行きたい、でもそれがわからない。 ちゃんとしなきゃ、でも絶対ちゃんとしてる(と見える)人たちと同じところには行けない。 誰しもが持っている焦燥と狂気だな、とも思う。
- 夏しい子@natusiiko2025年3月9日かつて読んだ今まで読んだ砂川さんの小説の中で一番良かった。 サクマには共感は無いが、同情というか救われてほしい気持ちは強く感じた。 サクマは罰を受けたからと、次に暴力衝動を抑えられる人では無いと思う。あれは病気の域だ。 円佳のコンビニの列にいた男やサクマに暴力を振るわれた人たちもサクマ以上に反省しないだろう。 人生詰んだ先の一筋の光。そこが見えてきた事で読んでいる身としては少し安心する。とはいえ、それにもサクマはスルーするほど欲が無い。人のためじゃないが自分ための欲も無い。 サクマが心配にはなるが読後感は悪くない。