sea
@sea06297
- 2026年7月3日
遠野物語柳田国男,石井正己,鯨庭読み終わった昔からSF(スコシフシギ)な物語が大好きな子どもだった。ダレン・シャンやハリーポッターから始まり、松谷みよ子さんのモモちゃんとアカネちゃん、藤真知子さんのまじょ子シリーズ、恩田陸さんの常野物語、その他にもいっぱい。完璧なファンタジーよりも現実世界の中に息づく不思議に心惹かれた。私たちが気がついていないだけで、彼らが人間の世界に紛れてどこかに存在しているのかもしれないとドキドキできた。 でも、曖昧さに耐える力を失ってしまった私たちの前にもう彼らは現れない。この本を読んでいるコーヒーショップのLEDライトがこんなに明るくて、何不自由なく読書ができる時代が悲しい。 ただ、書き起こされる間もなく途絶えていった伝承が沢山ある中で、鯨庭さんも含めた3人の手によって遠野物語が書き残されたことは救いだな、と思った。 - 2026年6月30日
ムーミン谷の仲間たちトーベ・ヤンソン,山室静読み終わったムーミンの世界は逆ちいかわなのかもしれない。 最近の流行は「現実社会に似た舞台でシンプルなキャラクター性を持った生き物たちが生活している」という特徴があるような気がする。そりゃそうだ、そうじゃなかったらただの現実だし、見ている側も疲れるよね。目に留まったその一瞬でどれだけ設定を理解してもらえるかが勝負の世の中なんだなあと思う。 でもムーミンはファンタジーの世界の中で複雑な心を持った生き物たちが社会を編んでいて、だからこそ思い入れながら読めたのが嬉しかった。とても一言では言い表せない、面倒くさくて繊細で愛おしいみんなのことを好きになってしまう。名前を与えられること、意志を持って変化すること、種族の中の個別性、怒りと再生、宝物を手渡すこと。 「いや、だめだ。こんなことはいやなんだ。ぼくはようやく最近、いやですということを、おぼえたんだぞ。年金をもらって、好きなことだけする。ほかのことなんて、やるもんか」……そして立ち上がると、庭園を抜けて門まで行き、鍵を開けて、あのいまいましいがらくたをすっかり中へ引っぱりこんだのです。 「あのさ、戦うってことをおぼえないかぎり、あんたは自分の顔を持てるわけないわ。ほんとよ」 - 2026年6月27日
ファーストラヴ島本理生再読。ここ数年読んだ本のベストは?と聞かれたら迷わずこの本を挙げる。 ファーストラヴを執筆するにあたってのインタビューで「人は、本当にひどい暴力を受けたのでなければ声を上げることができないのかもしれない」「本当はもっと色々な暴力や傷が存在するはず」というようなことを筆者が話していたのに感動したのを覚えている。 再生は怒りとともに始まる。奪われ、なかったことにされてきた痛みや怒りを取り戻すためには、やっぱり正しく伴走してくれる相手が必要なんだろう。傷を負いながら生き延びてきた人々が救われるかどうかを左右するのは、信頼できる他者との出会いなんだな、と思うと、結局人生って運なのか?とも思ってしまう。いつか出会うかもしれない誰かの手を掴む準備をすること、恐怖とともに受け入れる勇気を持つことが何より大切なんだろうなー。由紀と同じく対人援助職を仕事にしている身からすると、辛抱強く待ち続けることの大切さを思った。 - 2026年6月12日
新装 ぼくを探しにS・シルヴァスタイン,倉橋由美子一読しておいた方がいいと上司から勧められて。 「だめな人とだめでない人のために」という献辞から始まる軽やかな絵本。 欠けた球体のぼくは自分のかけらを探しにいく。最後にぼくは欠けているからこそ出会えたものに気がついて、もうしばらく欠けたままで生きていくことにする。目的に向かう過程だったはずのかけら探しが喜びに変わっていく。 だからといって初めから欠けている自分に納得することはきっと難しくて、長い旅をしたからこそ腑に落ちた部分もあるんだろう。いつかは出会ったかけらと互いに満たし合う選択をする日が来るのかもしれないし、来ないかもしれない。あるいはそれすら人生の寄り道に過ぎないのかもしれない。転がるように愉快に生きていきたいものだなー。 「きみは誰かのかけらかな?」 「さあどうかしら」 「でもきみは きみのままいたいのかもしれないね」 - 2026年5月29日
大きな鳥にさらわれないよう川上弘美読み終わった柔らかくて少しひやっとする、好きな読み心地の物語と文体だった。ぼんやりと全体を覆う霧が晴れて世界の輪郭が見えてくる。愛と憎しみ、期待と諦め、秩序と混沌、個と全体、対立するものたちが同時に、矛盾せず、淡々と存在している世界(SFのジャンルらしいけど、こうして文字に起こしてみると現実となんら変わらなくておかしくなる)。 一つ一つの話が連鎖して、最後はマクロな視点とともに序章に戻っていく構成が綺麗で好き。読み進めていくと色んな気持ちになって、共感できるものもあれば受け入れがたいものもあってかき乱された。私は、あなたは、どうしてこんなにも違うのか。どうしてこんなに分かり合えず、それなのに愛することをあきらめられないんだろう。 「でも、それだけだ。あたしを憎んでいないことは、あたしを愛しているということとは、まったく別のことだ。」 「自分と異なる存在を…受け入れられると、わたしは信じていた。そうだ。わたしたちと近種の、かつわたしたちよりも優れたものならば、わたしは受け入れたことだろう。」 「人類のことを心配するんだとしたら、…自分と、自分のよく知ってる奴らが楽しくやってたら、それでじゅうぶんじゃない。それ以上のことになんて、手がまわらないし、手がまわると思ってるとしたら、そりゃちっとばかり、えらそうなんじゃない?」 - 2026年5月19日
すべての、白いものたちのハン・ガン,斎藤真理子読み終わったハン・ガンは初読。 読んでいる間は夢とうつつの狭間を泳ぐような感覚で、ぼんやりした白さを手繰り寄せるように、気付けば夢中になって文章を追いかけていた。韓国語は形容詞が豊かに発達している言語だといつか聞いたことがあって、それを思い出すような柔らかいきれいな文章だった。 出会わなかった親密な他人に生かされ、生かすこと。うまく言えないけれど、同時には存在し得ない彼女らが時間の不可逆性を超えて、体と精神を通じて語り合っている光景を見ていた。 自分の体と心を受け渡して再び束の間の生を姉に贈る作業は病的な体験でもあるな〜と思ったけど、隣人への無関心が加速している世の中では改めて必要な考え方なのかも。「私」にとってそれは姉と母への愛と贖罪であり、同時に自分の人生を生きるために必要なイニシエーションだったように感じた。現実には感じることができない繋がりを信じることは難しくて、心を砕くのはもっと難しい(私にとっては)。でも叶うならそんな風に生きようとする自分でありたいとも思った。 ー白く笑う、という表現は(おそらく)彼女の母国語だけにあるものだ。途方に暮れたように、寂しげに、こわれやすい清らかさをたたえて笑む顔。またはそのような笑み。 - 2026年4月7日
- 2026年4月7日
- 2026年4月7日
- 2026年2月3日
とっておきドラえもん いつも心にともだち編藤子・F・不二雄読み終わった友人からのクリスマスプレゼント。 ドラえもんのキャラクターの流動性が好き。 調子に乗って失敗することもあるし、喧嘩したり人を馬鹿にすることだってある。だけど、だれかのつらい気持ちや頑張りに心動かされたり、協力して助け合いもする。 ふと忘れてしまいそうになるけど、いつも仲良しじゃなくても友だちでいていいんだよね、と思えた。 - 2026年2月3日
アディクションとしての自傷松本俊彦借りてきた - 2025年11月26日
村田エフェンディ滞土録梨木香歩読み始めた - 2025年11月26日
烏は主を選ばない阿部智里読み始めた - 2025年10月29日
- 2025年9月16日
夢中さ、きみに。和山やま読み終わった思春期特有の吸い寄せられるような他者への関心と、だけど近づきすぎない距離感がいとおしい。 「暇じゃあないけど暇つぶしに忙しいんだよ」 そういうのがいいな、と思った。 - 2025年9月13日
グリフィスの傷千早茜読み終わった傷にまつわる短編集。 まぶたの光が1番好きだった。 傷をつけることで始まるものもある。でも、開けた視界がどんなに光にあふれていたとしても、それはやっぱり正しい恐怖に基づく行為でなければならない。 このまぶたに傷をつけてくれたひとのことをおもう。あのひとのおかげで、あたしの目は世界を映している。
読み込み中...
