グリフィスの傷

37件の記録
- t@tm_10332025年7月7日読み終わった傷をめぐる10の物語。 どちらかというとネガティブなイメージがある傷の中にも、祈りとか希望みたいなものが描かれていてあたたかい気持ちになれた。 最後の「まぶたの光」が特に好きだった。 中学生の主人公と病院の先生。 年に2回、診察の時に会える大好きな先生。 患者と先生。子どもと大人。 2人の距離感が切なくて愛おしかった。 先生の呼び方が「さやちゃん先生」なのがまた良くて。「さやちゃん」じゃ近すぎて、「さや先生」じゃ遠すぎる。主人公の先生への気持ちをあらわす呼び方だと思う。何度でも読み返したい。
- 碧@Hellebore_4962025年5月25日久しぶりに開いた「ガラスはほんとうはとてもとても頑丈だけど、目に見えない傷がたくさんついていって、なにか衝撃を受けたときに割れてしまうものだって。あなたが割ったように見えるけど、いままでの傷がつみ重なった結果だから気にしなくていいのって。そういう目に見えない傷のことをグリフィスの傷っていうんだって教えてくれた」
- 猫@mao10122025年3月7日かつて読んだ受けた傷みは消えることはないし、そしてそれが苦しい"傷み"とも限らない。自分にもそんな"傷"があるので、心を抉られたような気持ちになった。 『竜舌蘭』と『グリフィスの傷』『あおたん』が個人的には好き。 自分だけが覚えて、実感出来る傷みほど自我を味わえるものはないと思う。これも一種の自傷行為なのかな?千早茜さんの作品は、自分の風化した傷や瘡蓋をぺりぺりっと向いてくれる感覚がして、共感してしまう。
- はぐらうり@hagurauri-books2024年8月4日読み終わった傷や傷痕をめぐる静かな10の短篇。 自分も傷痕いくつかあるなぁと思って読んだ。特別思い出深いものではないものの、なぜ傷がついたのかは覚えてはいる。小さい頃のものは、親から聞かされて記憶している。 傷が美しくみえるのは、生きている証拠だからか。傷をつけたほうが覚えている、というのは面白いと思った。