

yumaharada
@yumaharada
デザイナー、ときどき写真。UMA/design farm代表。どく社共同代表。愛犬の名前はわかめ。
- 2025年5月11日読み終わった子どもが社会に馴染んでいく、馴染んでしまう、そのプロセスが著者のインタビューにより浮き彫りになっていく。一つひとつはその子どもにとっての超日常のことだけど、その超日常ともいえる日々がその人を構成し育んでいくんだなぁと改めて関心した。マイク・ミルズの「カモン カモン」をみてるような気持ちにもなる名著。本の中で覚えている幼少期の記憶についてインタビューしていて、自分自身と照らし合わせて考えてみても、確かに記憶は写真や自分の聞いた話が元となり頭の中で構成、または捏造されていて、社会性を帯びた思い出に近いなぁと考えていた。さらに頭の中を掘ってみて、脳の中から引き出してみると、一枚の絵のようなものではなく、周囲がぼやけた動的なイメージが、もしかしたら記憶のようなものなのかもしれない。僕は祖父が工房で仕事をしている風景だ。写真にも残っていないし、もう僕の頭の中にしか残っていないそんな空間。少しマイノリティ・リポート的な感覚でもある。高知市のyoiyoの中にあるフランクに書店で購入。
- 2025年4月6日大工日記中村季節読み終わった読んでる栞日さんで購入。自分の現場での思い出と重ねながら読む。僕が缶コーヒーを飲まなくなったのは、現場の優しすぎる先輩がいたからだ。朝、集合したときに2本、10時の休憩に2本、お昼に2本、15時に2本、帰り際に2本。一日中缶コーヒーで、最後には飲みきれなかった缶コーヒーを先輩が帰り際の缶コーヒーをコンビニに買いに行く間に、そっと外に並べ続けた。その狂気のような優しさが嫌いにはなれず、結局、嫌いになったのは缶コーヒーだった。そんなことを思い出す。大工日記は大工現場だけでなく、著者の人生のぼやきと喜びが重ね合わさっていて、目の前に人物が浮かび上がる小説のようだ。日記という形式が現場での日々との日常が繋がり心地よい。p120「この世界の一分一秒すべて、わたしのものだ。」という宣言がこの本の一番の気づきかもしれない。短い言葉だけが残ると時に暴力装置になりうるけど、日記形式でのぼやきは、「わたし」に気づき「だれか」の存在が自然と優しさを内包する。良い本だ。関係ないことだけど、本文に何度か出てくるジェロームはあのジェロームだろうか。
- 2025年3月20日人生の塩――豊かに味わい深く生きるためにフランソワーズ・エリチエ,井上たか子,石田久仁子読み終わった今年一番散文詩のような言葉のリズム、息をするように溢れ出るリリック。その日あったことなのか、30年前のことなのか、哀しいこと美味しいこと嬉しいこと、なんでもなさそうでなにかある日々の美しさを知り、生きることは、思い出を抱きかかえることだと教えてくれる本。「私」を伝えることが読者の「私性」に気づかせ、他者に気づく。そして、フィールドワークって地続きだよねと思い返してまう。何度も読み返したいし、自分も書いてみたくなる。
- 2025年3月19日
- 2025年3月16日カメオ松永K三蔵読み終わったカメオの速度に煽られるように1時間もかからず読み終えてしまう。神戸のおっさんの顔が思い浮かぶ言葉の描写は、心の声として正しく再生されていた気がする。犬との出会いはそれぞれの物語になっていることを途中で自覚し、読みながらパラレルに自分と犬との関係が脳裏によぎる不思議な読了感。カメオ、カメオ、カメオ。
- 2025年3月15日LIGHTS平野愛読み終わった演じると演じないの瀬戸際が、カメラの違いで写り込んでいるように思います。こんな映画のスチールの残し方があったのかとページをめくるたびに驚く。写真の構成も写真家の平野愛さんによるもの。この境界線が自分が生きる世界と重なり喜びと哀しみをつくりだす。素晴らしい一冊や。
- 2025年3月13日ようかん虎屋文庫読み終わったようかんをつくってみたいので、まずは歴史からと思い、行き着いた書籍。羊羹、漢字の通り、羊の汁物だったと言われてもピンとこない感覚。でも興味深い。歴史が辿れそうで辿れないものは、自由度をもってチャレンジ出来る。
- 2025年3月7日家の哲学エマヌエーレ・コッチャ,松葉類読んでる曲線さんで購入。家は人工物であるからこそ、人の存在を肯定し、弱さを受け止めてくれる装置なんだろうなぁと。受け止めてもらうための擦り合わせが生活の中の中心にあるのかもしれない。
- 2025年3月6日
- 2025年3月6日失われた創造力へ多木陽介読み終わったどく社著者の多木陽介さんの現代的な視座とイタリアのカスティリオーニ、マーリ、ムナーリの3人のプロジェッティスタたちの言葉たちが共創する一冊。見開きごとに完結するので、枕元に置いておきたくなる本。そして、版元でもあり装丁も担当しているので、隅々までこだわりました。この3人がみたらこれが良いねと言ってもらえるように、本の構造や仕様が延長し、そのまま包み込んだような世界をつくりました。
- 2025年3月6日中野本町の家伊東豊雄,後藤幸子,後藤文子,後藤暢子読み終わった今年一番家が人を生かし、人が成長する家がなくなっていく。その成長に喜びを感じながらも建築家は虚しさを受け取る。つくるつかう生きる、多視点で語られる記録。今年、読んだ本の中で一番良かった。
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