グロテスク(下)
51件の記録
香夜@kayoino2026年8月3日読み終わった[上]からずっと、質疑応答かのように主人公が話している文体だから、最終的にこの人は捕まるか入院でもして、誰かから事情聴取されてる想定なのかな?とか、色々推理していたが、外れた。 事件の犯人もなんとなく示唆されただけでわからないままモヤ〜っと終わった。 ユリコや和恵の手記や、ミチルが率直に物申すシーンなどで、主人公がいかに「信頼できない語り手」だったかが暴かれる。 努力じゃどうしようもない待遇の差、埋まらない自己肯定感など、目を背けたくなることばかりが描かれている。それこそグロテスク。 でも、天才的美貌を持つユリコや、努力の天才のミチルのように、一時的に若い頃チヤホヤされても、その美貌は失われていくものだし、努力の結果が幸せなものとも限らなくて。 わたしたちは何のために努力して、何に期待して生きているんだろう?と。結局、他人から評価されるためにやるものって自分を幸せにするものじゃないんだよね。とか思った。 そして、それぞれの登場人物に醜いところがたくさんあるけど、なんだかそれも(一歩引き気味ではあるけど、)少し愛しい気もした。 みんな心の中に自分の「グロテスク」を持っているのかもしれない。
イオ@io_102026年3月19日読み終わった性格の悪い登場人物が出てくるんだけど、どこか自分に似ていて自己嫌悪に陥る。男性嫌悪してる人には特に刺さる描写があると思う。が、男性と関係を持つことを穢れだと思ってるから登場人物には全く共感できなかった。別に、男に認められなくても良くないか? ようやっと純粋なキャラ、ユキオが出てきたと思ったらウッソだろお前……お前だけはそっち側じゃないと思ったのに…… あとは最後の1文見るに、ユリコを殺したのはチャンでは無く、別の男性で主人公は出くわしてしまった(ユリコと同じ結末になる)って事なのかな
はなつめ@hanatsume2025年7月18日読み終わった凄い作品だった。 語り手がさも事実であるように物語を書き連ねるけれど、徐々に語り手の悪意が見えてきて、誰の言葉を信じて良いか分からなくなる。唯一信用できるのは、下巻冒頭の検察側冒頭陳述要旨くらいだが、それだって誰かの主観が入っている。 人がアイデンティティを見失い、壊れていく様をまざまざと見せつけられた。それは環境のせいでもあり、己のせいでもある。上巻ではひたすらに「馬鹿」と称されていたユリコが一番己を知っていたという皮肉。 他人軸でものを考え中身をなくすとどうなるか、を擬似体験できる良書だった。感情移入できるということは即ち私自身にも他人軸でものを考えているきらいがあるということ。 人間は決して自分のことを客観視できないけれど、そのことをはっきりと突きつけられた。 学生の頃の自分に読ませてみたい、とも思った。
夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだ上巻のユリコの手記が出るまで、お姉ちゃんは大人しくて真面目なしおらしい女性だと思っていた。 ユリコの手記を読んだ後からはお姉ちゃんの毒気が凄すぎて、「お姉ちゃん不幸になれ」と思いながら読んでいた。 そして和恵に対しても同じだった。 「もっと不幸になれ」と。 だけどそれは違うと分かってきた。 私が望んでいるのは、お姉ちゃんや和恵の不幸ではなく 世間からの彼女たちの見られ方に、本人たちが気付いたり 認めたりしてほしいと、それを望んでいたのだと思う。



































