ウィステリアと三人の女たち
36件の記録
ユースケ@yusuke_11302026年10月7日読み終わった@ 電車四篇を読み終えて、やはり表題作にはヴァージニア・ウルフの影が濃いと感じた。時間が直線的に流れず、記憶と現在が溶け合い、語り手や人物の境界まで少しずつ曖昧になっていく。その体裁は『灯台へ』や『波』を思わせる。 ただし、単なる模倣ではない。川上未映子の文章には、ウルフよりもずっと生々しい身体感覚や、女性として生きることの居心地の悪さ、そして日常の可笑しさや俗っぽさが残る。意識や時間を抽象化するのではなく、最後まで身体と生活に引き戻してくるところに、川上未映子らしさがある。 四篇のなかでは「シャンデリア」も特に面白かった。大きな事件ではなく、日常の表面がわずかにずれ続け、その違和感がいつの間にか不穏さへ変わっていく。表題作のモダニズム的な技巧とは別のかたちで、川上未映子の持つ、人間関係と身体の微妙な歪みがよく表れていた。 女たちの記憶、身体、時間、他者との距離。四篇それぞれ形式は違いながら、同じ場所を何度も別角度から照らしているような短編集だった。
幻@maboroshiclub2026年8月31日読み終わった短編前半二作は川上さん節、素晴らしかった 表題作は明らかに村上春樹の文体、状況を意識してるものの、全体として面白さがあった。 空き家に入る部分など村上さんの「シェエラザード」の導入に近しかったな。 でも夏帆を読んで思ったけれど、春樹さんは女性主人公でもここまで女性の心情に添った描き方はしないと思えば、これは真似ではなく村上風でもなく、村上さんの文体を受容した川上作品という見方もできるとはじめて思った。
emu@emu___0h1s2025年7月17日読み終わった暗闇と自分との境目がわからなくなっていく感覚。居心地の悪い空間、意地の悪い友達を前にして、どうしても自分と周りを勝手に比べて安心して、時には絶望してしまう。マリーが思う愛という存在の説。行き場のない誰にも埋めることのできない空洞を抱えて生きること。女である、だからこそ私はこんなにも胸が苦しいのだろうか。わからない。
bitter100%@bitter1002025年6月28日かつて読んだまた読みたい@ 自宅何年も前に読んだのに、なんだかふと思い出して泣けてきた。愛というか想いというか。別れの日が来てから長い年月を経ても消えることがなく、それどころか離れ離れになってもいつまでもいつまでも深く静かに続く想い。心は永遠に共にあり続ける。
ゆうこ@-yuko-1900年1月1日読み終わった女を主人公にした四篇。 タイトルの「ウィステリアと三人の女たち」の、現実と夢との境目が溶けてしまうような表現が。装丁も洋書みたいで本当に素敵。 「マリーの愛の証明」、映画のシーンが浮かぶような綺麗な情景の物語だった。
































