草の花
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かのうさん@readskanokanon2026年2月11日読み終わった『草の花 (新潮文庫)』福永 武彦 池澤夏樹さんのお父上だと知って、読んでみたいと思った。 なんと、儚く綺麗で内省的な愛の物語だろう。 ここまで強烈なのに、こんなに清潔な愛とは。 文庫版の月のように美しい小説だった。 藤木と汐見との友情は、不思議なものだった。 こんなにも恋愛感情にも似た友情というものは実際あるものなのか。 そして、やっぱり汐見は死にたかったのかが最大の疑問。 潔癖。潔癖すぎて苦しい。ああ、もっと汚れててもいいのにと思う。汐見はさぞかし生きにくかっただろう。 汐見は物凄く博識だったんだろう。 だからこそ、色んなことに矛盾を感じてジタバタしていたんだろうなと思う。 うー。ジワジワくるお話だったなと思う。 同時に福永武彦の作品をもっと読みたくなった。 同時期の三島由紀夫の文章もそれは綺麗で、読み応えがあるが、あちらは明るいのに対して、こちらは陰鬱な美しさがあって、私はこちらの方が趣味に合った。







ryomoriwaki@ryomoriwaki2025年9月10日読み終わった汐見が持つ芸術に対する純粋性への憧れと、現実の人間関係における純潔さへの願望が複雑に絡み合っている。 汐見は詩や文学といった芸術の世界での「純粋さ」を理想としながら、同時に恋愛や友情といった私的な関係においても同様の純潔さを求めてしまう。この二つの領域での純潔さを同一視してしまうことで、汐見は深い孤独に陥る。この矛盾が彼の愛の体験を複雑にし、最終的に死への憧憬へと導いていく。 「僕はこの計画を多少芝居じみているとは思った。しかし作品を美しく構成することが芸術家の仕事だとすれば、現実を美しく構成することも、また一つのしごとではないだろうか。特に僕のような失敗した芸術家にとって、最後の一頁を小説にではなく、現実の上に書きたいと思うことは、せめてもの貧しい願いだった。」 今まで読んだ本の中で一番繊細で美しい恋愛小説だった。


冬@eiennofuyu2025年7月27日読み始めた読んでる@ 本の読める店 fuzkue西荻窪昔大好きだった本。 最近信仰について考えているので、軽い気持ちで再読し始めたら、この時代の文学ならではの暗い死の雲に覆われて、頁を閉じてしまった。 こんなに繊細な文を書く作家を私は他に知らない。


































