鍵のない夢を見る (文春文庫)

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酸菜魚@suancaiyu2025年11月20日読み終わった@ 自宅読むのはおそらく3回目。 単行本が出た2012年、文庫が出た2015年、そして今回2025年。 以前はまだ学生だったり社会人になりたてだったりした時期だったので、『凍りのくじら』とか『スロウハイツの神様』などの辻村ワールドが展開される作品とは違う大人向けの小説に、物足りなさを感じていた気がする。 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』も同じ理由で高校生の自分は他の作品の登場人物が出てこなくてつまらん……と思っていた記憶がある。 30代になって読み返した本作は、2回目までに感じたものとは大きく違うように感じる。 自分だけは違うという傲慢さ、そこから生まれる勘違い、魔が刺してやったことの帰結。 逃げ出したいのに、どこにも逃げられない、まさに“鍵のない夢”。 大人になってきて辻村深月で心が動きにくくなってきたな、と思っていた(大好きなのは変わらない、ホントに好き)が、今回読み直して辻村深月のこれまでわかっていなかった良さを知ることができた気がする。

- ゆうひ@yuhi2025年4月1日心理描写の繊細さにいつも驚かされる。 特に印象的だったのは、5篇目の話。 念願の子供を授かった、ママさんが主人公。 育児のストレス、旦那さんとのすれ違い、友人も近くにおらず孤独、次第にノイローゼになっていく。 自分は男であり独身で、子育てに奮闘する女性の大変さは、当たり前だが体験はできない。 でも辻村さんの小説を読むと、それがいかに大変な事で、どれだけ偉大なことか、少しだか想像ができる。 未来、自分にも奥さんができた時、この話を思い出して、寄り添えるようになりたい。 そんな風におもった。











