ホメロス物語
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やん@grilledyangyang2026年9月18日読み終わったジュニア向け『イーリアス』と『オデュッセイア』のダイジェスト。映画オデュッセイアの予習として読んだ。非常に分かりやすく面白い。 【イーリアスの感想】 え、イーリアスってトロイア戦争の10年目から始まるの!?パリスがアフロディーテに金林檎渡したり、ヘレネ攫う下りは!?wwwえwwwナレ駆け落ち???www 『イーリアス』をトロイア戦争全史だと思っていたが、全然違った(笑) この物語の核となるのは、アキレウスの「怒り」だという。 総大将アガメムノンとアキレウスが対立し、最強の武将アキレウスは激怒し戦線離脱するシーンから語られる。 アガメムノンに斬りかかろうとするアキレウスを、女神アテナが降臨して止める場面。ティエポロの絵だとめっちゃ髪引っ張っててウケる。アキレウスの顔から「ぐぇ」って声が聞こえるようだwww ヘレネは流されやすさや愚かさがあるものの、覚悟がないわけではない。悪女と言われるだろう人物だが、自身の愚かさを自覚している。 それに比べ、パリスはなんというか、今で言う悪いイメージのZ世代感というか(笑)周囲にけしかけられて、取り敢えず後先を考えず目先のことだけやる。しかし、危なくなれば放棄するして、ヘレネに「よしよししてー」と口先で丸め込んでヘレネと閨を共にしちゃう。自制心がない! ヘクトルに叱られても「でもでもだっていまやろうと思ってたの!」だし、お前そういうところだぞ。 一方ヘクトル、聖人か?いい人すぎる。駄目弟パリスも見捨てず、「お前はやれば出来る」と激励し、妻子思いで、トロイヤの市民を気にかけている。 著者はアキレウスとヘクトルの2人を、「神に選ばれた無敵の強者」と「祖国の人たちに選ばれた卓越せる市民」と評している。 さらに、アキレウスには「もの狂おしさ」という魅力があるが、ヘクトルにはそこが欠けている。その代わりに、『愛する祖国の人びとのために、武勇の士であらねばならぬと努める「正気と分別」が見られます』と、英雄としての在り方の違いがある。 この2人の英雄の対照性は、物語を支える二本の支柱ともなっている。なるほど。 それにしても、ディオメデス強すぎる。アフロディーテとアレスというオリュンポスの神々に傷を負わすとか、化け物??? グラウコスとの一騎打ちでは、敵同士なのに先祖の縁を確認し意気投合。ディオメデスがあまりに古き良き豪勇の士すぎて、グラウコスが大感動。グラウコスが黄金の武具をディオメデスにあげちゃう大盤振る舞い(笑) 著者のパリス評、『ディオメデスとグラウコスの一騎打ちが黄金づくめなら、先のパリスのうす汚い戦いぶりは、青銅造りとでも言えましょうか』は辛辣すぎて大草原不可避。 トロイア戦争の発端とアカイア諸王の団結は、ヘレネに対する「誓約」のためとなっている。ところが、前5世紀の歴史家ツキュディデス、著作『歴史』の中で、アガメムノンの絶大な勢力を恐れていたからだ、と考えている。 トロイア戦争を歴史的に考えるなら、それはごく現実的な侵略戦争だったと思われる、とのこと。 『臆病者の武器は決まって弓矢!』藤村シシン先生の動画で聞いたことある!!槍を交えるだけの勇気がない!!(笑) 『イーリアス』に登場する人々は、激情に駆られたり、突然勇気を得たり、逆に恐怖に包まれたり、意固地になったり、人間の感情が大きく揺れ動く。その背後には、いつも神の手がある。 自分の利に囚われたアガメムノン、戦場で茫然自失となったパトロクロス、戦の熱に浮かされ城を出陣したヘクトル。「感情の波」や「運命」「幸運・不運」の背後に神々の存在がある。 もちろん、物語をドラマチックにする作劇ではある。しかし、人間はそのどうしようもない人の感情や悲運、因果や運命になにか理由を求める。 なぜ死ぬのか。 なぜあの時、あの行動をしたのか。 なぜ報いを受けるのか。 そのような、人にはどうすることも出来ない因果を神の働きとして理解しようとした物語であり、生命限りある人間の嘆きを謳っているのではないだろうか。 神々が運命を定め、人は激情に突き動かされる。 それでも、人間は自分の行為から逃れられない。 アガメムノンが「神が私を迷わせた」と言いながら、その一方で「それで迷ったのは私なのだから、償いは私の役目だ」と言う。 神のせいである。しかし、自分の責任でもある。 この矛盾したようで両立している感覚が、古代ギリシャ、ホメロスの世界観なんだなぁ。 どれだけ悲嘆に暮れ、激情の報いに苦しみ、過酷な結末が待っていようとも、人は己の誇りのために全力で生命を燃やす。 その「どうしようもなさ」と「輝き」の両方を描いているのが、『イリアス』なのかなと思う。 そしてアキレウスが満を持して出陣すると、ゼウスの参戦禁令が解かれ、神々が公然と戦争に介入してくる。こうした神の参戦は「戦の勝敗は時の運」という意識があったことをよく現していると思う。 それはともかく、神の加護を受けながら英雄たちが死闘を繰り広げるのがカッコイイ!!これは古代ギリシャ民はブチ上がるだろ。 そして、怒りのアキレウスが敵の死体を河にどんどん投げ込む。それに抗議する河の神『河の外で殺せ。マジやめて、死体投げ込みのマジやめて』はウケる。河神とばっちりで不憫すぎる。 そして最後、『イーリアス』ってヘクトルの埋葬で終わるの!?という衝撃の幕引き。 アキレウスのアキレス腱を射る話は?wトロイの木馬の逸話??wwイーリアスで描かれないんだwww 私が『イーリアス』と思ってた話、ほとんどイーリアスに入ってなかったwww アキレウスの「怒り」から始まり、親友パトロクロスの死、その仇ヘクトルとの死闘を経て、最後に描かれるのはヘクトルの葬儀。 老王プリアモスの嘆願により、失った哀しみを共有し、死を悼む。仇敵の遺体を返し、葬る。 「英雄の戦記」と思って読んでいたが、その結果に残ったのは、怒りと悲嘆、死者を悼む人間だった。 人間が激情に突き動かされ、報いを受け、神々に翻弄される。そういう人間を歌った物語なのかもしれない。 【オデュッセイアの感想】 イリアスが、定められた悲劇と運命を生き抜く人間の英雄譚で、かなり戦記っぽかったのに、『オデュッセイア』になると、途端にちょっと抜けた面白小噺っぽくなる。オデュッセウスそんな性格だっけ? ストーリーの中心にあるのは、故郷への帰還と家族への思慕。それなのに、その旅程がいちいち珍道中なのが、『イリアス』との空気感の違いを感じさせる。 いらんこと言ってポセイドンに呪われる。 命令を聞かずに罰を受ける部下。 難所のトンチみたいな切り抜け方。 神々に翻弄されながら、寄り道しまくるちょっとグダグダな旅程が面白い。 しかも、トロイア戦争の英雄たちの霊が「女は怖い」みたいなこと語ったり、死後すっかり変わってしまった姿で登場したり、登場人物の名前そのものが性質や個性を表していたり、どことなく日本昔話っぽい。 ナウシカア→船に巧みな アレテ→願いごとを聞き入れる人 アルキノオス→勇敢な心 ウーティス→「誰もない」 スキュレー→スキュロー(さらう) カリュブディス→カスコー(大口で呑む) カリュプソ→カリュプトー(隠す) アンティノオス→敵意 など、要するに、「桃から生まれた桃太郎」と命名法が一緒(笑) キャラクターの性質を名前にそのまま背負わせる。 昔話っぽい。 また、望郷と家族への思慕の念が強い一方で、オデュッセウスたちの行動は妙にユーモラス。 「神々に選ばれた英雄たちの壮大な帰還譚」なのに、読んでいると、「お前ら、もうちょっと落ち着いて行動しろよ!」と言いたくなる。 そして、この物語には明確な「因果応報」の構造がある。 『客人は神の変身かもしれないから、全力で饗せ』 という掟を軽んじ、他人の家と財を我が物顔で浪費する求婚者たち。これは、ある種戦後の混乱と荒廃に蔓延る無法、無秩序の象徴にも思える。 一方で、主人が乞食に姿を変えて帰ってきても忠義を尽くす豚飼いのエウマイオス、牛飼いのピロイティオス。父を信じる息子テレマコス。姿が違う主人に気づく乳母エウリュクレイア。 そして、悪意ある男たちの只中で恐怖に耐えながら、夫の帰還を待ち続けるペネロペ。 無法を働いた求婚者は報いとして誅罰され、掟と忠義を守った彼らは報われ、秩序は回復される。 この別軸のストーリーとして、アガメムノンの非道な暗殺に対して息子オレステスが仇を討つ話も、テレマコスが父の帰還を求める物語と重なってくる。 つまり、忠義にもとる者に対する因果応報の物語なのだ。 『オデュッセイア』では「客人をどう扱うか」がめちゃくちゃ重要になっている。 異国から来た客人を粗末に扱うのか。 見知らぬ乞食でも、まず食事と寝床を与えるのか。 客人の姿をした神かもしれないから、きちんともてなす。 この「客人を迎える掟」が、最後の因果応報につながっていく構造が、なんというか、『〇〇の恩返し』とか『笠地蔵』みたいな昔話を読んだときの感覚を覚える。 さらに言えば、乞食の姿で無法を働く貴族に接近するストーリーは、『暴れん坊将軍』とか『水戸黄門』みたいな、殿が市井に身をやつす系の時代劇感の爽快感のような、「ハッハッハ」と晴れ晴れとした笑いをしてエンドロールを流したくなる。 『イーリアス』とはジャンルと雰囲気がまったく異なる作品で面白い。- めづ@medzu2026年9月16日読み終わった@ 自宅『オデュッセイア』が映画になったと知り、見る前の予習に読んだ。 世界史で出てきた『イリアス』と『オデュッセイア』のダイジェスト&解説。 ギリシャの神々ってよく知らなかったけど思ってたより人間社会に介入してくるのが新鮮だった。 アキレスは思ってたより気性が激しいキャラクターだった。 オデュッセウスも無事に20年の漂流から帰宅できたので、今度の休みに映画見に行こうかな。
なめろう@namerou2026年8月29日読んでるとりあえずイリアス読み終わった、アキレウス絶対炎タイプだしヘクトルは草タイプ。オデュッセイアは少年文庫版を買ってあるのでそっちメインで副読本として。
dstar10@dstar102026年8月23日読み終わったそうです予習ですノーラン監督はあんまり好きじゃないですが それはさておきこの本は素晴らしい 簡潔かつ深い洞察も含み、ジュブナイル向けではありますが、十分初老の私が読んでもとても良かったです
















