オレンジだけが果物じゃない
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Anna福@reads--2503092025年11月20日読み終わった作者の半自伝的な物語。 『…誰かが悪魔の炎に包まれた場合に備えて、大きな救急セットまで積んであった。「火はどうやって消すんですか?」質問が飛んだ。「消火器を使います」牧師は答えた。一同はなるほどと感心した。」…外から見ればまるで、コント! 養母達の狂信ぶりの描写は、恐怖と滑稽さの境界線を軽やかに飛び越えてしまう。 作者はその極端さをユーモラスに描く事で、読者に排他的な信仰の滑稽さと純粋すぎるが故の人の哀しさを同時に感じさせる。 幼い頃から主人公に徹底した宗教教義を施す養母は、自らの世界の異様さに気づかない。 彼女の心に生まれた違和感、ある事が発端で母や牧師からの迫害。 自分の心を守って外の世界に出れるのか。 挟まれる寓話が深みを与えるとても面白い作品だった。





誰荷@dqrekq2025年7月14日読み終わったタイトルに惹かれて初ジャネット・ウィンターソン。わたしジャネット・ウィンターソン好きだな。うんうん、わたしってこういうのが好きだよねって自分の輪郭が太くなるような読書だった。

ビスケットアパート@powerfulfranny2025年3月29日読み終わったすすめられたまず、好きな本だった。ジャネット・ウィンターソンの作品は『灯台守の話』(これも居場所とされていたところから脱出する話だったはず)以来。彼女のそばには聖書もあったけれど物語があった。挿入される物語が彼女を守るように、出来事の意味を整理していく。事物や事件を物語として理解していかないと次の日に進むのが無理なんだよなあ、とかつての自分に重ねて読む。私は、抱えようと決意したものと身体とが一緒に逃げる話が好きで、その時は、その先にある希望や自由に期待していつも頁を捲っている。そして後に世界が持つ仕方なさと、なんとか付き合ってやっていくことを選ぶ人たちの言葉に触れるのが好き。だから、分かり合えない人たちとして登場する女たちが使う言葉も好きだった。かつて脱出を試みた主人公だったかもしれない、と勝手に思う。 「…犬を連れていきたかったが、母が許すはずがなかったので、茶箱に本と楽器を詰め、いちばん上に聖書をのせた。一つだけ心配なのは、果物屋の屋台で働くはめになりはしないかということだった。スペインのネーブル。甘い甘いヤッファ・オレンジ。おいしく熟れたセビリア・オレンジ」 「…わたしは逃亡者としてこの都に来た。都にはたくさんの塔があり、その建築に目を見張りながら、そして頂からの眺めに胸をときめかせながら、急きたてられるよつに上へ上へと登っていく。でも、たどり着いた頂上には寒風が吹きすさび、景色はあまりに遠すぎて、どれが何か見分けがつかない。たずねたくても、相手がいない。猫なら消防士が助けてくれるし、ラプンツェルには長い髪があった。もう一度、地面に降りてみるのもいいのかもしれない。わたしは逃亡者としてこの都に来た。」





ビスケットアパート@powerfulfranny2025年3月26日読み始めたすすめられた@ 電車「…(もう何を言っても無駄ってことね)とわたしは思った。たしかにそうにちがいなかった。」 もうかなりすき
























