文庫版 書楼弔堂 破暁
36件の記録
蛾のおどり@Nachtfaltertanz2026年5月2日読み終わった「見て見ぬ振り、云わぬが花の約束ごと。それを解さぬは――愚か者。そう云うことでございますよ。ないものはない。ないと識って尚、あるように振る舞う――この国にはそうした文化があったのです。それは、この国の良きところ、残すべき在り方だと私は思いまする。ところが、その文化が失われてしまった。あるかないかの二者択一、結局ないものもあるように考えてしまう。それこそ蒙昧、迷妄と云うもの。」 --------------- 「皆が右を向いて走っているからと云って、あなた様の目的も右の方にあるとは限らないのでございます。右を向いて左に進めば、後ろ向きに進んでいることにもなりましょう。ならば、本来の目的からの距離もどんどん離れることにもなりましょうな。隙間が大きくなる。それが――」 闕如として感じられるのですと主は云った。 「あなた様のお仕事は、決して後ろ向きではございません。無意味結構。非寓意結構でございます。小説とは本来そう云うものでございましょう。意味だ思想だ、そんなものはそれこそ幽霊のようなもの。小説を読み、そこに何を見出すか、どんな幽霊を見るのかは、読者次第でございます。 --------------- 善し悪しなど誰に判じられると云うのですと、弔堂は云った。 「人間は、先程の書きかけの書物と同じです。未完なのですよ、高遠様。未完で良いのです。本は書き終われば、或いは読み終われば完です。しかし、生きていると云うことは、ずっと未完と云うこと」 「未完か」 ならば明日のことなど判りますまいと弔堂は云った。
よしい@Yoshe2072025年10月25日読み終わった京極先生の読書哲学というか、書物への愛をたっぷり詰めてそのまま言語化されたみたいな物語だった。現実の偉人や有名人が作中に多く登場するので、弔堂を訪れる人物の正体を会話の内容や語られる特徴から探っていくのもワクワクした。さりげに他の京極作品と世界観がリンクしているのも楽しいし、妖怪や幽霊に関する蘊蓄が出てくるとやっぱりテンション上がる。自分自身も「本」というものともっと丁寧に向き合いたい、と改めてしみじみと考えさせられた。


- 佐々木朱鷺@Mimizuku772025年7月15日かつて読んだ本をこよなく愛する気持ちをそのまま書き起こした様な作品だった。書物は皆屍で人が読んで自分なりに何かを思う事で初めて書物は弔われる、という弔堂の主人の理論がとても好きだった。本を愛する全ての人間に敬意を持って慎重に言葉を紡いでいるのがとても暖かかった。弔堂に訪れる全ての人が真剣に自身や世の中と向き合っているのが良かった。 最終章の未完が一番好きだった。姑獲鳥でも思ったが京極夏彦氏の作品は許されないだろうと自身で勝手に線引きしていた後ろめたい事に寛容で少しだけ癒される。諭してくれるような、優しい雰囲気が漂っている。






時雨崎@rainstormbook992025年6月12日読み終わった心に残る一節「書物と申しますものは、それを記した人の生み出したまやかしの現世、現世の屍なのでございますよ」 タイトルが良い。前から気になってた。 京極先生の本を読むと、本っていくらでも読んでいいんだなあと元気をもらえる。手元におき、開き、字を追い、考える。そのことの価値を信じられる。 現実の偉人が次々出てくる。巷説の人も出て来る。百鬼夜行の人も出てくる。全部繋がってる。 京極著作は読めば読むほど面白くなる。
づー@zuu_dayo2025年6月5日かつて読んだ近所の図書館で借りて読んだ マジで京極夏彦先生って本大好きなんだなーって思った もはや「本」という概念そのものを愛してるじゃん 高みにいる 最近の雑誌のインタビュー読んで同じこと言ってる同じこと言ってるって思ってめっちゃ笑った 本大好きすぎる
琥珀@amber_bookends2025年3月20日読み終わった「私は情報を売っている訳ではなく、本を売っております」と語る書楼弔堂の主人 本棚に置かれた本は、内容だけでなく、それを買った時や読んだ時の自分の思いを何気ない日常の中で思い返させてくれる貴重な装置だ

みどりこ@midorikko_032025年2月8日読み終わった再読。いい加減続き読もうと思って再読した。やはり好み。面白い。今回なんか色々摂取していたおかげで「贖罪」で泣いてしまった。全部で3冊かと思ってたら4冊あるのね。炎昼までしか持ってないので早う買わねば。あと後巷説読み直す。
























