人形式モナリザ Shape of Things Human
29件の記録
- @s_ota922026年4月18日p35 「複数の人格を併せ持つ天才だ、と最近になって練無は気がついた。しかし、誰にも本質を見せていない可能性もある。」 p52 「「これって、モナリサですよね?」」 p56 「失われることは、悪いことではないのだ。削り取られて、そこに形が現れることだってある。万が一にでも、美しい形が生まれることがあれば、尚更だろう。その希望こそが、生きる動機ではないか。」 p59 「現在、最高の人形とはコンピュータである。人に最も近い機会だからだ。人を真似ることが、この機械を作り出したのだから、当然である。人の形に魂が宿る、と最初は考えた。それが、いつの間にか、この形が失われる。さて、「形」とは、何か?人形とは、何だろう?」 p66 「「探したんだから!もう浜名湖になって。」」 p70 「「そうそう、その話だったね。江尻駿火の最後の作品がモナリザっていうんだ。」」 p89 「泣けるものに弱い紫子である。」 p106 「「モナリザだったからだよ。」」 p110 「私は、瀬在丸紅子だ。何をそんなに怒っている?戦う相手は誰だ?」 p119 「人形を見せているわけではない。人形を操っている人間を見せているのだ。」 p153 「「悪魔、いや……、神様かもしれん。」」 p155 「夫を殺したのは、神様だった、いや、あれは白い手の悪魔だった、と興奮して語った。」 p159 「練無は炭酸飲料を少しずつしか飲めない。」 p161 「練無はラムネを飲み干した。」 p168 「「どんな悪魔だと?何かもっと詳しいお話はありませんでしたか?」「ええ、人間よりも大きくて、頭だけが馬だって。」」 p178 「「トランプしようか。」」 p185 「二年まえの岩崎亮殺害に使われたナイフは、もともとは二本組だったもののうちの一本で、もう一本は、事件以来、行方不明になっていたらしい。」 p199 「「ああ、可笑しい、もう……、何だって、そんな格好してくるのよ……。ああ、私、今夜ほど深く傷ついたことって、過去に一度しかないね。」」 p201 「そうか、大人になってもやっぱり、誰かが誰かを泣かしているんだ、と彼は思った。」 p205 「「目が痛いからって、自分で外したんだよ。お酒につけておけば、汚れが取れるし、あとで目にも良いんだって主張していたけど。」」 p212 「「悪魔退治、魔女退治のために作られた短刀。そう聞きました。どんなものなのか、私も実物を見たわけではありませんから……。」」 p214 「「いいないいなぁ。美人は何しても、誰も怒らへんもんなあ、くう!」」 p223 「ネクタイは紅子の知らないものだった。」 p224 「「何を作っているのですか、とおききすると、人形だ、とお答えになる。どんな人形なのですか、ときくと、モナリザだ、とおっしゃる。」」 p225 「「江尻先生は、私の絵に、落書きをされました。」」 p235 「「所有したい、よりも、知りたい、の方がより人間的だ。」」 p235 「一つのために、千を所有し、その一つが、不確定ゆえに、千を生かしている、のではないか。」 p240 「「身の丈三メートルほどで、頭が馬で、躰が人間、だそうです。」」 p252 「「魔女だからです。」紫子が答える。「ええ、そうね。」紅子がにっこりと微笑む。「今の意見が、今までで一番素敵。」」 p253 「「またかいな。大人はええよなぁ。お子様は毎晩トランプやもな。」」 p254 「空気は若い哲学者の手のように冷たい。」 p256 「いつの間にか、生きていた。」 p263 「「人気が嫌いでね。子供のときから、大嫌いだった。親父が沢山持っていた。そのどれもが不気味で、恐かった。グロテスクで、何か邪悪なものが潜んでいるような気さえした。でも、大人になってみたら、人形なんかよりも、ずっと……。」「人間の方が恐かった。」紅子がさきに言う。」 p264 「「何かを恐れていたい、何かを恐れていれば、それよりも恐ろしい状態にはならない。どこか痛いところがあれば、他に痛いところを忘れることができる。あらゆる原始宗教の起源が、そこにある。だから、恐ろしい恐ろしいと祈り願って、人々の恐れを人の形に閉じ込めた。人の形ほど恐いものはない。どんな形よりも恐い。それを創ったからこそ、自らへ向けられる恐怖に、人間は耐えられる。鏡を見続けることができる動物は人間しかいない。自分の形が恐ろしいことを、呪文によって封印したのです。」」 p279 「デートに遅れた事は一度もない。」 p288 「真っ白な顔が浮かび上がる。」 p289 「「モナリザね?」」 p290 「光を見た。闇を聞いた。目は拡散の七彩に霞み、耳は攪乱の七音に靡く。手は懐疑の七宝に触れ、指は回避の七生を待つ。人形の目がくるくると回る。」 p292 「スカートは、七夏はミニ、紅子はロング。髪もショートとロング。」 p305 「自分は人形かもしれない、と一瞬思った。見えない糸が、空の彼方から、宇宙の彼方から、自分を操っているのかもしれない。」 p311 「小さい頃から、そんな孤独にはすっかり慣れている紅子だった。」 p312 「「そもそも、どうして、私はこの世に生まれてきたのかしら。どうして、貴方のような男と結婚なんてしたのかしら。誰が私を騙しているの?どうして誰も白状しないの?」」 p316 「「岩崎夫人に聞いてみたが、彼女が知っている限りでは、そんな入れ物になっている人形は、二つしかないそうだ。つまり、金と銀のナイフを入れる人形二体だけってことになる。」」 p323 「「林のためなら、息子を殺すことができます。覚えておいてね。」」 p327 「紅子は笑っていた。」 p338 「「血湧き肉躍るのが好き。」」 p339 「「もう、最高!どうして、ロバってこんなに可愛いのかしら。」」 p341 「「紅子さんを騙そうとしているのは、紅子さんですよ。」」 p344 「「普通は、相手は他人、特に警察を騙す。それが偽装の目的になる。そのためのトリックを殺人者は考える。保身のためにね。でも……、この事件では、そうじゃなかった。犯人はね、自分がやったことではありませんって、神様や悪魔を騙そうとしたの。もちろん、そんな実態はこの世にはないわけだから、換言すれば、そう、それはつまり、自分を騙そうとしただけのことなんだけど。」」 p347 「「誰にも言わないって約束して。それに、確かめようとしないこと。いえ、確かめる必要なんてないわね。私が真実だと言ったら、真実なのよ。」」 p351 「「うん、逆のように見せて、あれは、本来の操り人形だった。」保呂草が言う。「人形遣いが前面に出ていただけだ。」」 p351 「「これは、一般論だけどね。最も困難な問題。最も複雑そうに見える問題を最初に解決すること。もしも、本気で問題を解決したいのなら、それが最も近道。どうしても、簡単な問題に逃避してしまうの。小さな問題を解決しても、それは前進に寄与しないことが多い。保呂草さん、私、貴方にお話ししているのよ。」」 p353 「「ね、言葉ってこんなに簡単なんだ。現実がどんなに複雑で、それぞれの、そのときそのときの想いとか感情とかが、どんなに深く絡まり合っていても、どろどろの利害がやらしく交錯していても、合理的な理解なんて無力に等しくても、とにかく、言葉で言うことだけは、いつも簡単なのよ。誰がどこで何をした。それだけ。子供だって言えることなの。」」 p354 「「自分は単なる人形に過ぎない。自分の意識の外に、本来の意志がある。自分の内の意志を忘却し、消去して、外側に虚構の意志を造りあげる。保呂草さんの言ったとおり、これがすべての宗教の基本原理かもしれない。そう信じることで自分を保持する。自分を生かす。そうしないと、保持できない。生きていけない。それが人間の脆弱さであり、柔軟さでもある。」」 p357 「「それを忘れないで。言葉だけのことなの。全部そうなんです。言葉で理由をつけて、どんなふうにでも変えてしまえるの。言葉こそが、悪魔であり、神であり、私たちの罪でもある。でも、そこにしか、真理はないのよ。」」 p360 「「今なら、誰も見ていない。首を絞めてみます?」保呂草の胸に顔を埋め、紅子は囁いた。「私、黙っている。いいのよ、もう一度やっても。気が遠くなる瞬間って、意外に気持ち良かったもの。」」 p361 「「二人っきりで馬車に乗って、ロバさんの国を冒険する仲。ほら、見て、あの子が一番可愛いの。」」 p361 「「あれは、よくできたマトリクスです。ああ、そうそう、絵のタイトルにも、確か『子宮』ってついていたでしょう?つまり、マトリクスなんですね。あれが、千体の人形の順番、それとも並べ方を示しています。」」 p362 「「千体といわれていますが、実際には、三十五行で三十列の千五十体です。」」 p366 「「ときどき、ぞっとするほど、貴方は優しいわ。」」 p368 「二人は短い接吻をした。宇宙の歴史に比較すれば、すべてが短い。」 p368 「「ときどき、紅子さんはぞっとするほど恐い。」」 p368 「「今のキスで、最後ですか?もう、一生会えないのかな?」」 p371 「「だって、なんたって、顔がロバですからね。身の丈が三メートル。そういえば、作り物の樹の枝に何かいませんでしたか?」」 p372 「「覚えておいて……。私よりも早く、何かとっても素敵なことを思いついたときは……。」」 p381 「「これが、モナリザか。」」 p385 「「人形のマトリクスだね。」」 p386 「人形の一体一体の色の違いが、一つのビットとなって、全体で絵になっているのだ。モナリザだった。」
- らむ@ramuni_h2026年1月26日読み終わった@ 電車学生の頃に一度読んだことがあったが、ぼんやりとしか内容を覚えておらず新鮮に読めた。 登場人物の関係がなかなか覚えられず時間がかかったものの、理解できるとおもしろい。(3代の家系図難しい… 一度で覚えられないのは私だけではないと信じたい) 最終ページを読んだ後に「えっ?!」となりざっと読み返した。物語の見え方が変わる感じが良かったです。
- Kawa@LegoAeterna2025年7月21日読み終わった犯人はこの人なのかな、と何となく思っていたら、犯人が当たるのは当たり前。その先を考えることこそがスタートラインだと横っ面を引っ叩かれた。

- Kawa@LegoAeterna2025年7月13日買った読んでる毎日隙間時間に20ページほど読書。なかなか進まないけれど、その分読んだ内容を読んでいない時に反芻したり、今後の展開を考えてみたりしている。これらの行為も読書の一部として大切にしたい。
藤松@seu_ng162025年3月8日読み終わったVシリーズ2作目! 登場人物多いし、関係が割と複雑ではじめはすごい頭混乱するけどだんだんスッと理解できるようになった。 事件の内容云々ってより、しこちゃんのキャラと紅子と林さんのやりとりが好きで面白かったなっていう印象 しこちゃんの関西弁ほんまにおもろい 小説読みながら笑うことってあんまないよね














