闇より暗き我が祈り

8件の記録
- DN/HP@DN_HP2025年3月12日結局またすぐに読み直してしまった。ある出来事をきっかけに主人公が再度“パニッシャーになる”シーンからドラマ『ザ・パニッシャー』の印象的なシーンで流れるTom WaitsのHell Broke Luceを再生してみたらハマった気がした。 他の小説でもそうだけれど、依頼されたり巻き込まれたりした、どこかで他人事だと捉えていた事件を登場人物が自分の事件だと認識を改め、自らの意思や思惑で行動をはじめるとき、物語は更にドライヴしはじめる。そういう瞬間が読める小説が大好きだ。
- DN/HP@DN_HP2025年3月10日読み終わった読書日記PunisherAntiheroフッドのトラブルシューターかと思って読み始めたらパニッシャーだった。作家も過ごしたのであろう南部の狭いコミニティを舞台に、「デビュー作には作家のすべてがあらわれる」という言葉通り、体験した、そこにあったはずの闇も暴力や差別も、音楽や文学、カルチャーも、土地の情景や暗黙のルールも言葉に文章にして、主人公の学んだ哲学に沿って言えば、血と一緒にスピットされる。過剰とも言えるほど盛り込まれて少し歪にも感じられるけれど、暴力的に色々なものを薙ぎ倒しながら突き進んでいく、めちゃくちゃ読ませる小説。サザン・アンチヒーロー・ノベル。最高だった。 暴力で「解決」しようとすることは「最高」とは言いづらい気もするけれど、他の方法と同じようにそれで改善することも悪化することもあるし、どんな方法でも解決することができないことは人生と同じようにある。それでも何かせずに、足掻かずにはいられない人々の姿というのは、小説が描くべきもので、それがリアリティをもって描かれている小説はやはり最高だと言いたい。 主人公がまだ暴力に目覚める前、少年時代に「マーベル・コミックのパニッシャーが出てくる一冊」を読んでいるのは、主人公と物語の行く末を暗示しているし、主人公が海兵隊に入隊するのはパニッシャーことフランク・キャッスルの影響もあるのではないかと、と思い込んでいる。 この小説もそうだけれど、アメリカの小説では海兵隊に所属していたことが登場人物の強さを担保していることが良くある。それは少し安易な気もするけれど、海兵隊(「は一生海兵隊だ」)を描くことはアメリカを描くことにもなる、というような気もしている。そういえばジョン・バーンサル版の『パニッシャー』は敵味方殆どが海兵隊員というアメリカを描いた凄まじいドラマだった。傑作。 そんな感想と妄想と連想に、まだ言葉になっていない色々を誰かとの会話のなかで前のめりでスピットしたい。わたしの話を聞いてくれ。そう、わたしは今テンションが上がっているのだ……一旦落ち着いてもう一度読み直してそんな機会に備えておこう。
- DN/HP@DN_HP2025年3月9日フッドのトラブルシューターかと思ったらパニッシャーだった、南部のアンチヒーロー・ノベル。作中で少年時代、まだ暴力に目覚める前の主人公が”パニッシャー“のコミックを読んでいるシーンが効いている。海兵隊に入隊したのも”パニッシャー“ことフランク・キャッスルの影響なのかも知れないな…という感じのことを考えながら、もう一回読もうと思う。
- DN/HP@DN_HP2025年3月7日買った現行で追いかけたい海外ミステリ/クライムノベル作家はM・W・クレイヴンとこのS・A・コスビー。2、3作目が評価が高いぽいけど、わたしが好きなのはよくある話と細部に書き込み系クライムノベルの『黒き荒野の果て』だったりする。この新刊も楽しみ。