決壊(上)
23件の記録
ふまそん@fumason2026年8月11日読み終わった⭐︎⭐︎⭐︎ ”そうだな、……俺は、外国にいた頃から、言葉についてよく考えるようになってね。それは結局、自分自身について考えることなわけだけど、・・・・・・言葉っていうのはね、どうも、不自由にしか遣いこなせない時よりも、巧みに易々と遣いこなせている時の方が、本当に痛烈に人を裏切るものなんじゃないかっていう気がする。これは呪わしい実感だね。……俺は、自分の言葉が形作っている世界──自分自身を拘束して、自分の周りの 人間まで巻き込んでいるその世界のことを考えるとね、体中が内から張り裂けてしまう みたいな痛みを感じるんだよ。それは、俺の意志の力では、どうにもならなくなってる。……どう考えてもね、俺という人間の能力の中で使いものになりそうなものといったら、 言葉くらいのものだよ。他には何もない。だけどね、その唯一の能力が、俺には時々、 吐き気がするほど厭わしく感じられるんだよ。……”
にけ@nilce2026年3月3日読み終わった@ カフェ下巻部分も含めての読了直後メモ 理解してもらえない苦しみ という言葉が浮かぶ。 崇はその万能さゆえに、親からも、教師からも、弟や友達からも尊敬されつつも、どこか畏怖され、私たちとは違うよね、と線を引かれている。 見えているものが違いすぎて、話せば話すほど遠くなり、親密さを築くのが難しい。 友哉や666のいた場所も線の向こう側だったのだろうと思う。 友哉のような親から真実とは違う解釈を塗りつけられる窮屈さもたまらない。本人の感情には無関心。これも理解されない苦しさだと感じる。 線を引かれることとは無縁の平凡な少女であったからこそ安由美は自分と同じ線の向こう側に生贄として突き落とされたのか? 常に線の内側で平凡な暮らしをしてきた良介も同様に。どこかに心情を吐露すれば理解されるかもという期待が見えたからこそ、生贄として選ばれてしまったのか? 他者に苦しみをなすりつけた悪魔たちは連帯している(自分たちの線を繋ぎうちに入れる)が崇はそうはしない。 崇には多くの友人がいる。それぞれの深度で理解され居場所を持ってきた。親密さには欠けるかもしれなくても、孤独を引き受けながら生きていける。 この存在も悪魔は許せなかったのだろうか。



















