秋期限定栗きんとん事件 下

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- 堺屋皆人@minahiton2025年6月27日読み終わったaudible2025年ミステリ約1年間の恋と事件によって、別れ道が再び交わる三年生の秋のお話。 二年生の夏に互恵関係を解消し、それぞれ別の恋人と学生生活を歩んできた小鳩くんと小佐内さん。 その〈普通〉で平和な〈小市民〉的日常が描かれるのと並行して、次第にエスカレートする連続放火事件。 小佐内さんの恋人・瓜野くんが、新たに新聞部部長になり、放火事件を深追いしていく。 張り切る瓜野くんを応援する小佐内さんだが、その裏には何かありそうで……。 一方、小鳩くんも新聞部の元部長である堂島くんと事件を追ううちに〈謎解き〉をすることになり、せっかく手に入れた普通の学生生活に亀裂が生じていく。 さらには、放火事件の裏に小佐内さんの影もチラついて……。 放火事件の犯人は? 動機は? 小佐内さんの行動は……? そして、その先にある登場人物の関係はどうなるか……! というのが下巻の内容。(以下ネタバレ) 正直、賛否別れそうな読後感。 春の時のような日常の謎は小鳩くんと仲丸さんの会話の中で少し入るが、次第に大きな謎が姿を表して繋がるという前作までと違い、ほぼ全編通して放火事件を追う形になるので、ミステリ好きの読者の思う謎解きはこちらに期待されるが、放火事件の犯人と動機については早いうちに見当が付くようになっていて、犯人も動機も読者の期待と興味から離れており、事件の真相を明かされても「ふーん」という感想にはなるかも。 ただ、この作品の一番の謎はそこではなく、何故彼女は……という部分なので、それが明かされる過程が放火事件解決後に描かれる。 そのネタバラシをどう思うかが、賛否別れそうだと思った所。 マロングラッセと栗きんとんの説明が効いていて、タイトル回収な締めくくりは上手いし流石。 あと、この最後の一文オチを、笑える人とエグ味を感じる人がいて、私は後者だった……えっぐい……。 狼に噛み付いたヤツが悪いって事なのだけど、羊の皮被って近くに置いておいて、この仕打ち……騙された仔犬が可哀想だろ……。 この作品で準主役と準ヒロインだった二人のその後が幸福でありますように。 このシリーズ、多少飲み下し辛いエグ味はあれど、物語としては面白いので最後まで読むつもりなのだけど、堂島くんだけが心のオアシスなので、冬季や巴里でも、変わらずにいて欲しいものです。
- Hoshiduru@lilimoe2025年5月6日再読中新聞部の動向と堂島-瓜野の感じ、めちゃくちゃ身に覚えがある(自分が堂島側だった)のでずっとそわそわして読んでいる 私は(堂島)健吾ほどの慈悲もないから、瓜野目線が本当に古傷が疼いてただただきつい。早よ解決編に向かってくれ〜!(おそらく既に始まっている) 地味に小山内さんによるキツイ仕打ちにも暗い期待を寄せている
- siu@rain07302025年4月9日読み終わったかつて読んだ下巻も読了!最近冬季限定と一緒に買ったんだけど、読んでるうちに既視感感じてモヤモヤしてた。正体は3年前に図書館で借りて読了済みでした(笑) さて感想ですが、事件が解決して最後のタイトル回収は本当に鮮やか!解説もついているんだけど、絶対ノリノリで書いたんだろうな〜って思えるくらいニコニコしながら読みました!あれはファンの熱量を感じたぜ…