パラソルでパラシュート
15件の記録
Kioku@noir142025年11月6日読み終わった美雨は譲ってもらったチケットで行ったコンサートで享と出会う。靴擦れした美雨とスタッフとして働く享が音楽の鳴り響く会場で口パクで待ち合わせをする、という物語の始まりが面白く、心を掴まれたままラストまで読み切った。 美雨は29歳。派遣の受付嬢として働くが、30歳で退職するという暗黙のルールまであと少し。享はお笑いコンビを組んでいて、美雨は享の舞台を観に行くようになることで、享の芸人仲間と親しくなる。私が29歳の時は職場関係でも恋愛関係でもない人と親しくなり、友達と呼べる仲間ができることは結婚退職するより難しかった。令和の世を生きる29歳の女の子はどうなんだろう。

しろ。@shiro_book2025年10月17日読み終わった@ 自宅コンサートで同じ歌を口ずさんでいたスタッフさんに、口パクで待ち合わせ場所伝えられる世界線に惹かれた。 30歳の壁みたいなものを、世間体を深く深く捉えて生きていかなくてもいい背中を押された気がした。 関西弁の軽やかな掛け合いも読んでて、気持ちがいい。

- Aki@spica-spring-evening2025年10月6日読み終わった時々思うのは、自分の思っていることをそのままに伝えるのはなんて難しいんだろうということ。 自分の考えていること、思っていることを純度100%、不純物なし、伝えたいことを伝えたいだけに濾過して、過剰も不足もなく伝えるというのは至難の業なのかもしれない。 自分の中にあるものを取り出して言葉に直そうとするとぴったりくるものはなかなか見つからないし、その時の感情が邪魔をすることすらある。そしていくらこちらが努力しても、受け手も受け取るための姿勢と努力がなければ、多分だめなんだろうな。伝えたい通りに伝わらない。伝えるための言葉が却って誤解を生む。 この本を読んでいて、性別に関係なく、ささやかでもさりげなくてもしょうもないことでも自分の言葉を拾い上げて真摯に向き合ってくれる相手がいることは幸福だろうなと思った。










