欲しがりません勝つまでは

11件の記録
- らこ@rakosuki2025年9月27日読み終わった敬愛する、おせいさんこと田辺聖子先生の少女時代を綴ったエッセイ。生まれた頃から日本はずっと戦争をしており、軍国主義の中、皇民化教育を受けて育った田辺先生は、天皇陛下のために死にたいと思うほどの軍国少女だった。戦争が終わり、天地がひっくり返る経験をした先生は、もう誰の言うことも信じられない、自分のあたまで考えることが一番大事だという思いを抱くに至る。 純粋な少女の目を通して描かれる当時の時勢が新鮮だ。そして、田辺先生の作品の基礎は、たくさんの本を読み、小説を書き、女学校の仲間たちと文芸誌を発行するなどして送った豊かな青春時代に培われたことがよくわかった。 戦時中の市民の暮らしを知る貴重な資料であるとともに、作家田辺聖子のルーツを辿ることのできる作品でもあり、読むことができて良かった。
- いこ@ico-warabi2025年9月24日買った読み終わった玉砕を覚悟している軍国少女ぶりにもびっくりしたが、大人もびっくりするような内容の小説を10代で書いていた文学少女ぶりにも心底びっくりした。 戦中だから大人びていたというより、作者様の性質な気がする。 そんな彼女が終戦後は何事も「ほんまかいな」と穿った見方をし始め、いつでも玉砕する覚悟でいた彼女が「生きよう!」と思えるようになったところで終わったのは印象的だった。 結局、生きようとする意志は何よりも強い(どこぞのガンダムでも言っていたような……)