サンクチュアリ
16件の記録
阿久津隆@akttkc2026年2月5日読み終わった「あたし、『神様』のことはいつも男としてしか考えなかったわ」とルービーが話し、ホレスは法廷へと続く広場を横切っていった。法廷の中にはたくさんの人。 p.370 その空気には煙草や酸い汗や大地のにおいとともに、まさしく法廷そのもののにおいも混ざっていた―あの黴くさいにおいだ。ここで消耗された欲望や貪欲さ、敵意や口惜しさなどの混合したものでありながら、それ以上ましなものがないために、一種の頑とした安定感も含んでいるにおいだ。 それ以上ましなものがないために、一種の頑とした安定感も含んでいるにおい。フォークナーは凄い。そして、そうか、というふうに小説が終わって、解説を読むと、あ、そういうことが起こっていたんだ、と知る感じがあった。フォークナーは「自分が想像しうる限りの最も恐ろしい物語」と語ったそうだ、当初は「私としてはこれは安っぽい思いつきの本だ」とも言った、しかし改稿をして恥ずかしくないものに仕立てたそうだ。この手つきはそれにしてもどういうことだったんだろうというか、どうしてここまで内面に踏み込まない語り方を選んだのだろう、テンプルだけではなく、動く人形を描くみたいな描き方で、凄惨な出来事を描く描き方として、これが適切な距離の取り方という判断だったのだろうか。この手つきこそがもっとも恐ろしいもののように思った。 改めて背表紙のあらすじを、今度は安心した状態で見ると、そこには「女子大学生殺人事件」なんていう言葉はなかった、代わりに「女子大生」という言葉と、「殺人事件」という言葉がちょうどぴったり上下に並んでいて、それでまとめて女子大生殺人事件には見える、というものだった。
阿久津隆@akttkc2026年1月24日読み始めた大学生の時以来の再読。絶対に僕が引いたのではない赤鉛筆の線がところどころ引かれている。僕はこのときは三色ボールペンで線を引いていた。赤鉛筆の線と緑色の線が同じページにあることも。これはこれで楽しい。









しんどうこころ@and_gt_pf2026年1月13日読み終わったフォークナー初読。 正直、重かった。 読み進めるほどに脳が疲労し、意味を理解するというより、ただ体験させられる感覚に近い。 フォークナーは「考えるな、感じろ」と突き放す作家なのだとわたしは理解した。とにかく、意味が固定されない、まるで詩のような文体ゆえに読みながらかなり消耗した(表面的な美しさという意味での“詩的”ではなく、構造としての“詩的”)。 何より印象的なのは、悪が回収されないことが特別な事件としてではなく、日常として描かれる点だ。繰り返すが、それは特別なことではなく、ただ過ぎて行くのだ。 安っぽい物語的救済を拒み、これが現実なのだと暴力的に突きつけてくる。
単独派@VvV06992025年9月21日読み終わったレッドの葬式場面が、ギャスパーノエの映画みたいだった。 グッドウィンらが監房の中で裁判の日に受けた朝陽が、彼らにとっての希望の光ではなく、グッドウィンの肉体をその夜焼き殺す炎を暗示するものであった点が素晴らしかった。 フォークナーの作品の中では、内容自体はわかりやすいが、訳がわかりにくすぎる、指示語がやたら多くて。 これによってさらに、R18で制作すべき映画を無理矢理全年齢向けにしたような消化不良が生まれてしまっている。 解説が良い。







