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そらまぎるもも
そらまぎるもも
@le_mono
Un ange passe. ただ、アンニュイが累積してゆくだけの日々を数えること以外、彼女はもはや何もしていない。 ところで、砂を開く、開砂者。
  • 2026年6月13日
    古井由吉自撰作品 一
    「あたし、だめ、できない。こんなむつかしいこと」 心ならずも彼は苛立った。彼の目の前にいながら、杳子が自分の病の中へ一人で耽りこんでいくことが、以前ならいざ知らず、今ではもう許せない気がした。 「〔……〕そんな臭いでもすこし鼻に馴染んできて、あの人の軀がとても満足そうに見えてくるの。自分の病気にうずくまりこんで、自分の臭いの中に浸りこんで……。ああいうのが、淫らっていうのよ。醜悪よ、けだものよ……」 ……《爛》か《淫》か、あるいはエロスか、そこには耽りこむ者が丸くうずくまりながら発する色と香気がある。 「あの人、あの時はまだ、からだの事を知らなかったのよ」 「病気の中へ坐りこんでしまいたくないのよ。あたしはいつも境目にいて、薄い膜みたいなの。薄い膜みたいに顫えて、それで生きていることを感じてるの。お姉さんみたいになりたくない」 「病気の中にうずくまるのも、健康になって病気のことを忘れるのも、どちらも同じことよ。あたしは厭よ」 軀の交わりは病気を成熟させ、病気のうちに耽りこむことも、小市民的な健康の日々を点描することもままならず、ままならぬまま、身持ちならない崩れをうけとめるものもなく……
  • 2026年6月13日
    世に棲む患者
    世に棲む患者
    予後、翌日の医者、終わりは終わらず終わりの始りがあり、終わりの始まりの終わりの始まりがあり、終わりの終わりの始りがあり……
  • 2026年6月11日
    市村弘正著作集 上巻
    小さきものへの……失われかけたものへのまなざし……かすかな痕跡と発光を感受する感性様式の再編成を迫る書。
  • 2026年6月11日
    文庫 書く、読む、生きる
    感受の器を、受信のアンテナを整え風通しをよくしておくこと、感傷でうわっと持っていかれないための粘り、粘りの質……
  • 2026年6月10日
    成城だより 上
    他人の日記によしあしもなし。ただ、何か言いたくなる代わりにこちらも書きたくなる。すなわち、良書なり。
  • 2026年6月10日
    甘酸っぱい味
    甘酸っぱい味
    「哀れな自分忌避の症状を呈している人間が必ず相当大きな部分を占めてい」たこの時代からさらい自分忌避の症状が当たり前になり、そうであり方を誰もが忘却し想像することもできなくなった現代への、裏拍。
  • 2026年6月10日
    死体は窓から投げ捨てよ
    またあの場所、周知の、愚鈍な、アンニュイのわれわれに、「浜に波がおし寄せる。原初から何番目の波なのか? 私たちは会釈を交わす」。
  • 2026年6月10日
    金閣を焼かなければならぬ
    分裂病と自閉症スペクトラムはどこで交わるのか? 作品? 事件? 現実? 言葉? それとも平行線のまま交わることはないのか?
  • 2026年6月10日
    〈自閉〉の哲学 カオスな世界を生き抜く力
    テリトリーの構築、アーキテクチャー、まさに権力の先端と交わる部分だがその嗅覚があまり鋭くないようだ……
  • 2026年6月10日
    斜め論
    斜め論
    斜め上よりも、斜め下、それも翌日の……予後の、ちょっと斜め下くらい……そこに、何があるかは各々で。
  • 2026年6月9日
    ランボー全詩集
    ランボー全詩集
    文学とけりをつけるために……散歩……錯乱、城と季節、それに女たちの地獄……風の疾走者……太陽と永遠、ああ……
  • 2026年6月9日
    神の裁きと訣別するため
    神の裁きと訣別するため
    アルトーから人類への贈り物 「器官なき身体」
  • 2026年6月9日
    中国哲学史
    中国哲学史
    果たして郭象は「現状肯定の哲学」か? 再検討の余地あり。
  • 2026年6月9日
    吉田健一対談集成
  • 2026年6月9日
    吉田健一随筆集(921;921)
  • 2026年6月9日
    杳子・妻隠
    杳子・妻隠
    鉱物性の液体がほどき、解体させる、何を?
  • 2026年6月9日
    雪沼とその周辺
    ささやかにひかり、ともり、ぽっとその残滓が爪痕のように残る。
  • 2026年6月9日
    東京物語考
    東京物語考
    「そして、ひとつ越してさえしまえば、何の理由もなく、境界が変わる――これこそ、[…]戦後三十何年の都会人の、さまざまな東京物語の、意識無意識のうちの合言葉ではなかったか」 人物と土地とのあいだに寒々しく吹き抜ける流動の気配、境を穿ち、さっと吹き抜ける寒々しくも鼻白む風。
  • 2026年6月9日
    時間 (講談社文芸文庫 よD 12)
    吉田健一「時間」 時間とともにあること、人間の条件でもあり自己の、現実をすべて浸す時間……
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