斜め論
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- はやしさん@seiichi08842026年2月7日読み終わった精神医学や臨床心理学における〈垂直〉と〈水平〉がテーマ。ハイデガー(主義)に影響されつつ、長らく前者が尊重されすぎてきた中、後者から患者/当事者へアプローチする試みを追う。ビンスワンガーに始まり、中井久夫論でグルービーとなり、上野千鶴子と信田さよ子を語る段で筆が踊り、べてるの家の当事者研究を紹介する段で筆致はやや穏やかになる、そんな感じの心地良い一冊。 ハイデガーを〈水平〉にする試みである第6章は私には難しかったけど、本書の問いかけはとてもシンプルで、考えるところ大だった。〈垂直〉だけでも〈水平〉だけでもない、横の仲間たちの輪を広げる中で、〈ちょっとした垂直性〉をいかに飼いならすかにまで目配りする、良書


- 糸太@itota-tboyt52026年2月3日読み終わった何か問題が生じたとき、その原因を探り当てて除去する。また動き出してみて上手くいかなかったら、違う原因を探し出して除去。そしてまたすぐ動く。繰り返せば必ず未来は開ける。怖がるな、スピードを落とすな、動き続けろ…。 べつに医療やケアの現場の話ではないけれども、一般的にそんな価値観ってある気がする。 でも、原因に対処する動きはなにも一つだけってわけでもない。仲間と話し合ったりしながらいろいろと試してるうちに、ひょんなことから問題そのものが雲散霧消し、なのにまた新たに問題が見つかって、顔を見合わせ笑っちゃうこともあるんじゃなかろうか。 この本を読みながら、そんなことを考えていた。そしてこうも思った。でもやっぱり、どっちかだけじゃなくてバランスなんだよな。 水平、垂直、そして斜め。空間的に捉えれば、ほかの場面でも面白く捉え直すことができるかもしれない。そのための参考になる考え方が、この本からは多く得られた気がしている。 たとえばオープンダイアローグの中で、弱毒化した垂直的関係を導入するための「リフレクティング」という工夫、さらに補論Ⅱのアディクションアプローチとハームリダクションの関係などは、とても興味深かった。
JUMPEI AMANO@Amanong22026年1月10日読み終わった就寝前読書お風呂読書@ 自宅昨晩から気圧でずっと頭が痛い。ロキソニンも効かないとなると完全にお手上げである。 それでもなんとか読み進め、読み終わる。補論2で展開されるアディクションアプローチとハームリダクションのあいだの緊張についての話、面白かった。




JUMPEI AMANO@Amanong22026年1月6日まだ読んでる就寝前読書お風呂読書@ 自宅第二章(中井さんの章)を読んだ。第一章より読みやすかった。というかけっこう難しいしだいぶ専門的な内容だと思うけど(フレームがはっきりあるから見失わずに読めるけど)、多くの人がこぞってこういう議論を読んでいるのだから、やっぱり話題書ってすごいな...


敗荷@sibue_fjodor_2026年1月4日かつて読んだこの本の結論を「垂直性でもなく水平性でもない(中庸としての)斜め性へ」という提言であると誤解する向きもあるようだが、それは結論ではなくフレームとしてはじめに仮定したものであって(そもそも垂直性や水平性という概念は木村敏も言っていたし、斜め横断性はウリ・ガタリからの借用である)、そこに新規性は無い。むしろ本書の真骨頂は、そのフレームをもとに、細々とした歴史的変遷を〈精神=病理〉的事件とみなして病跡学的に・系譜学的に跡付けた、という筆者のメタ的な(=批評的な)提言にこそある。フーコーの方法論を継承し、精神病理学へと再接続することを試みた、実践の書でもある。




saeko@saekyh2026年1月2日統合失調症の発症と治癒における病理学的モデルが主題になっているが、この理論は精神病以外の一般的なテーマにもあてはめられるように感じた。 世界に向き合い、了解しようとする態度として、目標を達成しようと上を目指したり、真相を掘り下げて理解しようとする「垂直性」が支配的だが、類似性のある他者と境遇を分かち合う「水平性」の重要性と、どちらかに偏ることなく水平性を前提として垂直性を弱毒化して取り入れる手法を提案する(=斜め横断性)。 またそれだけでなく、垂直性/水平性に対置される「死ぬための思想」と「生き延びるための思想」も印象的だった。なにか一つの決定的な出来事を重要視するのではなく、その先も続いていくものに目を向けることの大切さが、自分の今後の人生の意思決定においてじわじわと沁みてくるのではないかと思った。


okabe@m_okabe2025年10月3日読み終わったケアの在り方について、世代間ギャップを感じることがある。それは、阪神淡路大震災を経験した95年以降を自分が生きてきたことが理由なのかもしれない。 また、職種間に於いてもギャップを感じる。具体的には、教育や医療の垂直方向の人間関係に強い違和感を感じる。それは、自分がSWerとして(水準化ではない)水平方向の人間関係を重視しているからなのだと思う。



こここ@continue_reading2025年9月19日読み始めたラカン理論についての著作をいくつか読んだ著者の本。 一章だけ読んだところだが、取り組みやすい理解しやすい論調。 最近資格試験の勉強であまり読書時間が取れない毎日だが、章ごとに隙間時間で読んでいけそうで嬉しい。 統合失調症は上へ上へと高みを目指すあまり、或いは深層心理を追い求め下へ下へと沈み込んで行き、現実世界に適応が出来なくなっていくことにより発症してしまうのか。 そして、表面の水平の繋がりや関係が回復を助ける。そういったようなことが述べられている。なるほどと思う。 しかし、ということは、現実世界で水平の横の繋がりに失敗してしまったとき、上か下にしか行くことが出来なくなってしまったりするのだろうか。






七瀬由惟/Yui Nanase/あーしぇ@ashe_dalmasca2025年8月24日読み終わった精神病理学の現在がコンパクトにわかる、そして心のケアへの考えかたにパラダイムシフトをもたらす良書。おもしろくて読みやすく、あっという間に読了。 水平的な拡がりやピアサポート的なものが患者の支えとなることは、いままで読んできたさまざまな実践にかんする報告や本からなんとなくは理解していたのですが、そもそも、横に出られず上へ上へと「思い上がる」ところに統合失調が発症する隙間があるのか。下へ下へと深掘りすることも垂直性という点では同じなのか。なるほど。厨二病への解像度も爆上がりした。 ただ水平、横並びではなく、横への拡がりを担保されたちょっとした垂直性、つまり斜め上への空間的な動きが必要な理由もわかってきた。 最初は障害受容の螺旋モデルをふと思い浮かべたが、そうではなかった。むしろ、チェスでのポーンの動きに似ている気がする。はじめは思い上がってえいっと2マス前へ進む垂直方向への動き、いよいよ相手の駒のまえで動けなくなるまで1マスずつ登りつづける。そんなとき、斜め前の相手の駒を取ることで道が広がる。斜めへ出ていく勇気は、しかし上だけを見ていては湧いてこない。左右見渡す心の余裕とそちらへ一歩踏み出すための支えが重要なのだ。






敗荷@sibue_fjodor_2025年8月6日読み終わったもらったビンスワンガーにはじまり、中井久夫、ラカン、ガタリ、上野千鶴子、信田さよ子、と様々な分野の人々を召喚し、自らは述べて作らず。一見無関係に見える彼ら/彼女らの試みを、思想史上に紐付けていく。そこに筆者のささやかな「垂直性」が発揮されているとすれば、まさに本書が「斜め横断性」の一つの実践でもあるといえよう。






























































































