「この作品はこういう世界観なのかな」と思いながら読み進めていると「違うのでは？あまり決めつけないでください」と度々作品に話しかけられていた気がする。混乱しつつも劇を観ているようで楽しさもある。予見して読書していたわけでは全くないが、ちょうど続編の文庫が出るようでとても嬉しい。

ちょうど文庫出るのか！ありがたい！

「なんか…ここでは、自分が礼儀を守っている限り、誰も私に無礼な態度をとったりはしないだろうなって、そういう安堵感です。」

話の内容だけでなく文章自体があまりにも面白い。帯に「全米図書賞最終候補作」とあったので、これはさぞかし翻訳するのは骨が折れるだろう、もはや無理難題に思える、むしろ作家本人にしか翻訳できない気がする、もしや作家本人が英語に翻訳したのだろうかと思って調べてみたらどうやら本人ではなく他の方が翻訳したらしい。なんということだ！翻訳者の苦労を想像するだけで目眩がするが、それで「全米図書賞最終候補作」となったことを思うと驚嘆する。三部作であることを全く知らずに読んでいたが、今日それを知り慌てて続編を購入した。楽しみ。