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@sun_jbm
乱読家。「お」と思った本は片っ端から読みます。
  • 2025年11月21日
    斜陽
    斜陽
    戦後、時代が移り変わる中で取り残された貴族たちが没落していく様がとてもリアルに感じられた。お母様は最後の貴族として、直治は貴族と不良の間でもがく存在として死んだのに、恋を成就させて子までもうけたかず子は本当に強く逞しい女だと思った。この子は新しい時代のメタファーなんだろう。この子どもの存在だけがこの話の希望のように感じた。
  • 2025年11月16日
    ニセ姉妹
    ニセ姉妹
    筆者のお名前もタイトルも表紙の絵も、なんだか力が抜けていて楽しく読めそうだなぁと思って読んでみた。私は30代後半で、主人公と似たような価値観を持っているから、ニセ姉妹たちの考えや生き方がとても素敵だと感じた。阿佐ヶ谷姉妹との鼎談の中に出てきた"阿佐ヶ谷ハイム"の話も楽しそうで良い。私も愉快なおばあちゃんになりたい。
  • 2025年11月11日
    大人失格―子供に生まれてスミマセン
    昔見た映画に「ヒゲのおいらん」という役で出てきた筆者。強烈なキャラクターが印象に残り、20年以上経った今になってエッセイを読んでみることにした。が、感覚が古い。「文庫版まえがき」で「古びてないしかっこいい」と自画自賛していたが、2025年に読むととんでもなく古い。てめぇのハゲとモテなさは笑いのネタとしておいて、ブスは容赦なくこき下ろす。こういうこと言って面白いと思ってる男、嫌い。文章も特に上手くないし面白くない。品もない。この本は『大人失格 子供に生まれてスミマセン』だが、子供に申し訳ないから謝れとすら思う。
  • 2025年11月9日
    黒い絵
    黒い絵
    後味が悪い本だった。『ジヴェルニーの食卓』や『楽園のカンヴァス』を読んで原田マハさんにはまったけど、この方の作品を読めば読むほど似たような設定が多く、飽きてくる。それに加えて、本作では過度に性的な描写も多く、不愉快だった。表紙の絵(加藤泉「untitled」)が好きだったのに、この作品が登場するお話もなくて残念。
  • 2025年11月6日
    ギヴァー 記憶を注ぐ者
    ギヴァー 記憶を注ぐ者
    この本を読んで改めて、人との差異や個性を愉しみ慈しむことは素敵だな、と思った。それと同時に、衝突やすれ違いを恐れすぎるとこういった未来もあるのかもしれないとも思った。
  • 2025年10月30日
    珠洲の夜の夢/うつつ・ふる・すず さいはての朗読劇
    珠洲で大事に育まれた民謡やお話が柔らかく、とても優しいお話だった。余韻を残してふっと終わってしまうのが素敵。私は東京生まれ東京育ちだから、郷愁というものがない。でも、故郷というものがあればこんな感じなんだろうな、と思った。
  • 2025年10月18日
    神々の山嶺 下
    何回読んでも終盤は涙が止まらない。羽生丈二という人間の生き様は不器用だけど美しい。
  • 2025年10月7日
    神々の山嶺 上
    何度も読んでいるが感想を書くのは初。/この作品の素晴らしいところは、山に関する描写がとてもリアルだというところ。夢枕獏さんの山愛が詰まってる。私も山を齧っているからこそ、その描写に興奮したり緊張したりしてしまう。上巻は深町が羽生にのめり込んでいく部分が描かれていて、読んでいるこちらも作品にどっぷり浸ってしまった。下巻は辛く苦しい場面があるから今からもう悲しい気持ちだが、大事に読み進めていきたい。
  • 2025年10月3日
    MIDNIGHT PIZZA CLUB 1st BLAZE LANGTANG VALLEY
    MIDNIGHT PIZZA CLUB 1st BLAZE LANGTANG VALLEY
    装丁の格好良さ、旅本という点に惹かれて購入した。御三方がどんな人たちなのかはまったく知らずに。序盤、ニューヨークの場面では、自分たちに浸り切ってるおしゃれ中年男性特有の雰囲気を嗅ぎ取った。(あぁ、こういう系の人たちか)と正直思った。しかし、読み進めていくうちにその小賢しい都会っぽさはなくなり、シンプルな内容になっていく。時々阿呆みたいな内容をぶっ込んではくるものの、上出さんという方は繊細な感性をお持ち出し、文章が上手だった。あぁ、私も山に行きたい。
  • 2025年9月29日
    妖精・幽霊短編小説集(949;949)
    妖精・幽霊短編小説集(949;949)
    夏からちまちまと読み進めてきた。やっぱり夏は怖い話が読みたくなるから。しかし、私がイメージしている怖い話とは少し違った。日本の不気味でおどろおどろしい感じではなく、悪魔や怪物などハロウィンに出てきそうな感じ。また、精霊や妖精という存在も広く認知されていたようで、キリスト教の影響を強く受けたことが伺えた。あまり怖くはなかったけれど、昔のアイルランドの人々がどのような感覚で生きていたのかを知ることができて面白かった。
  • 2025年9月18日
    雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら
    関わる人みんな(自分も含めて)に幸せでいてほしいなぁ、と思って手に取った。ちょっと意識すればできそうなことばかりで、「私にもできるかもしれない」と思えた。人にも、自分にも優しくありたい。
  • 2025年9月7日
    百年の孤独
    百年の孤独
    すごく単調で読了に時間がかかった。さすが100年以上続く物語。まったりゆっくり、初めて読むラテン・アメリカ文学に浸れたと思う。登場人物たちは個性的で嫌いになれない人ばかり。大勢の人間が登場するものの、一族は同じような名前と歴史を繰り返す。それが面白おかしく、ヘンテコでもある。解説で筒井康隆さんが「読め」って言っていたので『族長の秋』も読んでみたい。
  • 2025年8月17日
    文庫版 近畿地方のある場所について(1)
    読んでいて確信したが、人間はよく分からないものに恐怖を感じるらしい。終わりが近づくと色々な事実が分かってきて、怖さよりも悲しさが勝ってしまった。文庫版とハードカバーとだと結末が違うそうなので、ハードカバーも読んでみたいと思った。
  • 2025年8月14日
    こころ
    こころ
    高校生の頃、夏休みの課題図書として読んで以来、何度読んだだろう。ストーリーももうよく分かっているはずなのに、毎度自分が当事者になったような苦しさを覚える。Kはお嬢さんへの思いと己が志す道への思いの矛盾で苦しみ抜いたに違いない。作中に出てくる「僕は馬鹿だ」という台詞を読んだ時は心が千切れそうになった。先生からの手紙を受け取り事の真相を知ってしまったにも関わらず、奥さんに話すこともできない主人公はこの後どうやって生きていったんだろう。
  • 2025年7月29日
    星を掬う (中公文庫)
    最終的に美しくまとまっていたけれど、許さない人が狭量とも取れるような持っていき方が嫌だった。一度でも親に捨てられたと感じた人はそれを一生引きずっていくだろう。それを心が狭い、幼いなんて私には絶対に言えない。理由がどうあれ、傷付けられたら怒ったって、許さなくたって良いんじゃない?そんなのは個人の自由だ。
  • 2025年7月24日
    恋文の技術 新版 (ポプラ文庫)
    もう何度読んだか分からない。私が初めて読んだ森見登美彦氏の作品。駄目駄目な男子大学生が黒髪の乙女に恋するストーリーは森見氏の作品によくある展開だが、初めて読んだ時はこの甘酸っぱさに卒倒した。あまりにプリチー。今回は数年ぶりに読んだけれども、その愛らしさは変わらず。恋をしている時のヤキモキする感覚を久しぶりに思い出した。私もこの日を読んで友達と文通したっけ。最高の一冊です。
  • 2025年7月14日
    ここじゃない世界に行きたかった (文春文庫)
    「大統領選、その青と赤のあわいにある、さまざまな色たち」はすごく良かった。人にはそれぞれの正義がある。その人の目から世界をみればまったく違う風景が見える。分断が進む世界だけど、これは忘れちゃいけないな、と思った。
  • 2025年7月6日
    おまえの俺をおしえてくれ
    何の前情報もなく、「おまえの俺をおしえてくれ」というタイトルに惹かれて読み始めた。柿次郎さんも土門さんも知らないで興味本位で本書を手に取った自分が悪いが、正直、「おまえの俺をおしえてくれ」ではなく「おれの話をきいてくれ」という本だった。ただひたすらに柿次郎さんの人生や考えについて繰り返し書かれていて、「はぁ…そんなんですね」というのが感想。自分の人生に邁進している"シテ"の人たちはこんな風に自分語りをすることはないんじゃないかな。
  • 2025年5月26日
    書を捨てよ、町へ出よう
    印象に残ったのは、ハイティーン詩集傑作選と筆者自身の歴史だった。気障でニヒルなオヤジの競馬論よりも、そっちの方が断然良かった。筆者の知識には驚いた。さぞたくさんの本を読んでこられたんだろう。私なんかとは比べ物にならない。こんな風に読書をしたいな、と思った。 ちょこちょこ出てくる当時はやった本や曲の話が良かった。今、あの頃のような深さを感じる音楽や文章はないんじゃないかな。
  • 2025年5月16日
    禁じられた楽園
    知れない不気味な人間を描くホラー。とても恩田陸さんらしい。中盤まではどんな風にこの話を終わらせるのかワクワクしながら読んでいたけど、終盤はいろいろなことが中途半端に片付けられて無理やり終わらせようとしているように感じてしまい残念だった。最後、響一があんな風に変わってしまったのは本当に気持ち悪かった。それはない。最後まで邪悪であってほしかった。
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