白湯
@uyas_14
- 2025年6月22日イエスの生涯遠藤周作読み終わった>巡回労働者としてナザレの町やその周りを歩きながら、イエスは心の飢えに苦しまれていた。彼の心はいつも充たされなかったのである。 この心の飢えというのは、「自分が充たされない」のではなくて「悲しんでいる人が幸せになれない」から充たされなかったということだろうか。 昔母に連れられて教会に通っていた頃、「イエス様は私たちのために十字架にかかってくださった」と言われてもそれがどうして赤の他人の救いに繋がるのか分からなかった。 多くのクリスチャンがぶつかる疑問だと思うのだけど、遠藤先生は「自分も同じ(もしくはそれ以上の)苦しみを味わったからあなたの苦しみが分かるよ」と言えないから、とアンサーを出していて。本来の教えとは違うかもしれないけど、私は先生の解釈が一番腑に落ちた。
- 2025年6月16日一九八四年新訳版ジョージ・オーウェル,高橋和久読み終わった文体が難しくて読むのに時間かかったけれど、2ヶ月ぐらいかけて読了しました。てっきりウィンストンとジュリアに何か救いがあるのかと思っていたらまさかこんな結末って…… 恐ろしいのは読み進めていくうちに読者の私もオブライエンの言うことがだんだん正論のように思えてくるところで。それだけ現実でもあり得ない話ではない説得力で殴りかかってくる大作でした。間違いなく人を選ぶけど。
- 2025年6月16日白夜行東野圭吾読み終わったなんだかんだで初東野圭吾。 先にドラマ版を見ていたけど、噂どおり本当にメイン2人の視点が一切書かれないまま話が進むのに、こんなに2人の心境を想像できるのがさすが巨匠といったところ。 ドラマ版の雪穂は「スカーレット・オハラになりきれなかった女」というイメージを受け取ったけど、原作の雪穂は亮司を見捨てたことでスカーレット・オハラを演じきったんだろうなと思った。
- 2025年6月15日人類の深奥に秘められた記憶モアメド・ムブガル・サール,野崎歓読み終わった縦横無尽に広がる構成にまんまと引き込まれた。これだけあちこちに話が脱線しても根底は一貫してジェガーヌとエリマンの話でまとまってるのがすごいな。 感想を言語化するのが難しいんだけど、私達読者は作者が本当に伝えたいことをどこまで理解できるんだろう。すごく感動した!と思っていても作者の意図とは全く違う読み方をしているかもしれないし。 結局は読者自身も自分の人生を生きることで、初めて作者の気持ちが分かるのかもしれないな。
- 2025年6月12日侍(新潮文庫)遠藤周作読み終わった遠藤先生の得意な無情さと悲しみと、底をついて初めて救いが見える展開には毎回考えさせられる。 長谷倉は先生ご自身の投影も入ってそうだけど、ベラスコのような傲慢なクリスチャンの思考回路をここまでリアルに書けるのもすごい。こういう人物像も書けるんだ… 個人的に、枢機卿がベラスコに言った「愛の方は愛のために政治の世界で殺された」という台詞が一番印象に残ってる。
- 2025年6月12日新装版 海と毒薬遠藤周作読み終わった
- 2025年6月12日深い河 新装版遠藤周作読み終わった
- 2025年6月12日沈黙遠藤周作読み終わった以前スコセッシ監督の映画版を見て、その勢いで原作を読んだ。 キリスト教の人って迫害されようが何されようが「神を信じる自分は絶対正しい!」を貫くことに美学を感じる人が多くて(うちの母親もクリスチャンなので)、ロドリゴももれなくそういう人物像で書かれている。けれどこの話の恐ろしいところは「自分がキリスト教を持ち込んだことで他人が迫害される」ことで。それでもいいの?とこれでもかと問い詰めてくる。 「信仰の形に関係はない。あなた自身がどう生きるかが重要なんだ。それは他人から見て分からなくてもいい。あなただけが分かっていればいいんだ」と遠藤周作先生が言っているような気がした。
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