新装版 海と毒薬
36件の記録
サカキ@sakaki08252026年7月2日読み終わったまた読みたいオールタイムベスト深い河に続き、遠藤周作2作目。 飽きのこない構成と過去の回想への入り方、登場人物の心理描写が洗練されていて、文章がするすると入ってくる。生体解剖という実際にあった史実を元にしたフィクションで、軽々しくは重いと言えないテーマ。 作中の戸田がこれまで行ってきた行為は卑怯・卑劣なもののように捉えられるけど、それを判断する自身の良心は果たして何によって形成されているものなのかを考えさせられる。戸田の言っていた「醜悪だと思うことと苦しむこととは別の問題だ」という考えにはぐうの音も出ない。解説を読んで、キリスト教と日本人の宗教観の違いが良心の不在につながっているとあって、とても腑に落ちた。 善悪の定義どうこうではなく、個々人の「良心とは何か」を問いかけてくる作品で、本当に読んで良かった。次は少し間を空けて、積んである"沈黙"を読もうと思う。 「だが眼の前を霜で鉛色に光った一本路が続いていた。」


- 舟@syuu_reads2026年5月24日読み終わったテーマは重いものの、読みやすくてびっくり。もっと早く読めばよかった。 極限下でも道徳的な行いをできる人とそうでない人とは何が違うんだろう。自分はどっちだろう、といつも考える。
tony_musik@tony_musik2026年5月6日読み終わった先の大戦中に起きた実在の事件を元に書かれた小説。センセーショナルな内容だが詩的で退廃的な群像劇として描かれている。いろいろなきっかけで倫理観は揺らぎはじめ、狂気と虚無感が滲み出す。とても重いテーマを扱った作品だが、小説としてとても面白かった。


そめ@s_o_m_e2026年4月19日読み終わった「良心」とは「神」なのかもしれない。 良心を持たず、善人っぽい振る舞いだけ上手い人がいるけど、逆にこういう人こそ人を助ける仕事にはある意味向いているんじゃないかなと思った。善意だけでは人は救えないし、良心がある人ほど心が疲弊するスピードも早そうだし。 神を持たない多くの日本人は、良心を良心であると自覚しにくいだけなのかもしれない。 戸田の告白のところはまた読み返したい。

- こよなく@funyoi2026年2月22日読み終わった平易な文章ですぐ読み終わったけど、中身は凄まじくズッシリ重たい。 特に戸田のエピソードに揺さぶられた。自分には良心が無いんじゃないか。良心の呵責に苛まれなかった時、「良心」の不在を突きつけられる不安と恐怖。良心が無ければ感性も信じられない。理性を信じるしかない。でも、その理性の基準は?世間から怒られたり罰せられたりしないかを基準にして本当にいいのか。善悪の基準が感性からも理性からも消えたら、何を支えに行動したらいいかわからなくなる。 倫理観を持っていても熱意を感じない。倫理の基準は外部から形成されたもので、内からは生じないのか。生じるとしたら経験からであろう。しかし、真に恐ろしいことは、経験しても良心が揺さぶられないことだ。 本作には良心の在処があると思ってる。それは勝呂だ。勝呂は解剖の前後で人が変わってしまった。これは勝呂に良心があるからではないか。 私に良心はあるのか、それは自己嫌悪ではないのか、良心の呵責が苛まれるような事態が起きた時、自分は変化するのだろうか?

りんばんち@Blau1357920032026年1月16日読み終わった人間が抱える心の呵責として、最も大きいのは殺人。 心の呵責は、他人の眼、社会の罰に対する恐怖であり、それから逃げられるのなら罪は罪ではなくなる。それが神を持たない日本人なのではないかという問いを感じた。



やきいも@yakiimokenpi2025年3月6日かつて読んだ東海オンエアの動画「読書感想文の感想文の感想文はどんな感想文なのか?」で紹介されて知った本📖海とは何たるか、毒薬とは何たるかを考えさせられる良い一作。





























