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たまのきゅうか
たまのきゅうか
@yutomsm
おるすばん
  • 2025年11月22日
    楡家の人びと(第1部)
    一部第二章「賞与式」と基一郎の半生とが重ねられながら、勢揃いする家族や登場人物の紹介、それぞれの参列の仕方、俗人性のあけすけなユーモア。一連の描写についていく著者の筆の豊かな共感性とスピード感。
  • 2025年11月21日
    楡家の人びと(第1部)
    一章後半。煉瓦塀を塗り直すのをサボっている職人たちの視点から院代・勝俣の視点へ、そしてまた職人たちの視点へ。職人の目から楡病院の人々が語られ、勝俣の目から楡病院の建物が語られる。虚飾と生命力に溢れた楡病院。素晴らしいシークエンス。
  • 2025年11月18日
    若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    p.38-39〈実に実に正気に満ちた水が、古代の水道を伝って大都市の中に流れ入り、数々の広場の石の白い皿の上に踊り、ひろびろとした大きな水盤の中に拡がり、昼はさやさやと鳴り、夜はそのざわめきを高めるのですが、ここの夜は大きく、星々に満ち、風にやわらかです。それにまたここには庭園があります、忘れることのできない並木道や石段があります。ミケランジェロの考案になる石段、辷り落ちて行く水に型どって、ーーひろびろと傾きながら一段は一段と、波から波が生れるように造られた階段があります〉 リルケのローマ描写。
  • 2025年11月17日
    楡家の人びと(第1部)
    新潮文庫旧版で読んでいる。冒頭のシークエンスが大傑作。
  • 2025年11月17日
    田村隆一詩集
    田村隆一詩集
    やっぱり「立棺」がいいですね。
  • 2025年11月14日
    狭き門
    狭き門
    p.248〈夕闇は灰色の潮のようにさしてきて、一つ一つのものに迫り、一つ一つの物をおぼらせ、そして、それらのものは、影の中でよみがえり、低い声音で、過ぎ去った日のことを物語ってでもいるようだった。わたしは、ジュリエットがすっかり道具を運ばせてきている、かつてのアリサの部屋を思い浮かべていた。ジュリエットは、いま、わたしのほうへ顔を振り向けていた。その顔立ちも、もう見分けられなくなっていて、あるいは目を閉じているのではないか、はっきりしたことはわからなかった。とても美しく思われた。そして二人は何も言わずにじっと黙っていた。/「さあ!」と、とうとう彼女が言った。「目をさまさなければ……」〉
  • 2025年11月14日
    若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    リルケはイロニーを避けるようにと言う。他者を風刺すること、真実を隠してわざと違うことを言うこと。それは自分の中の真の感情的体験の表現を弱らせてしまうのだと思う。
  • 2025年11月13日
    田村隆一詩集
    田村隆一詩集
    p.62〈詩人の感情を、そのうちなる感情の歴史にまで高め、それを発展せしめるものは、ルイースのいう「種子」ですが、それを発芽させ、成長させるものは、その詩人の内在的技術ーーつまりここでは雑多な経験をよりわけ、ひとつの秩序ある詩的経験にまで高めて行く知的感性的な能力を意味するのですがーーであり、詩人の体内から「詩」を外に押し出し、「一篇の詩」として開花せしめうるものは、その詩人の詩的技術(外在的技術といってもいいでしょう。詩人のうちなる詩を物質化する能力です)以外のなにものでもないからです。〉
  • 2025年11月13日
    狭き門
    狭き門
    p.186〈それは霧のない地平線にかけてすべての物が微細な点までひとしく青みがかって見わたされ、過去の日のきわめて取りとめのない思い出まではっきり思い起こせるような、澄みわたった秋の夕暮れのことだった〉 全部抽象的な描写で読ませるからすごい。 隣の席でじいさんがドトールのコーヒーを「ああ、おいしい」と呟きながら飲んでいる。アリサはこういうじいさんにアガペーを与えていたのだろうか。
  • 2025年11月13日
    若き詩人への手紙・若き女性への手紙
    p.15「自らの打ちへおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を探ってください。」 p.15-16「あなたの生涯は、どんなに無関係に無意味に見える寸秒に至るまで、すべてこの衝迫の表徴となり証明とならなければなりません。それから今度は自然に近づいて下さい。それから人類の最初の人間であるかのように、あなたが見、体験し、愛し、失う物を言うように努めてごらんなさい。(…)だから一般的なモチーフを避けて、あなた御自身の日常があなたに提供するモチーフへとのがれて下さい。あなたの悲しみや願いや、過ぎ行く思いや、何か一つの美に対する信仰などをえがいて下さい」 普通に実践的なアドバイスだ。
  • 2025年11月12日
    それがやさしさじゃ困る
    それがやさしさじゃ困る
    p.50 二分の一成人式 「しかし、それに強烈な違和感を覚えていても、実際に子どもが感謝を述べている場面に立ち会うと、たいていの親は涙を押し留めることができない。この、大人が子どもにいだいてしまう感情の、どうしようもない身勝手さ」 子供は欺瞞的な企ての中でも本当の「いま」への献身をしてしまえて、親はそこに泣いてしまうこともある。
  • 2025年11月12日
    それがやさしさじゃ困る
    それがやさしさじゃ困る
    自分の中の子供の部分が喜んでいる。 p.47-49 不登校について 「気持ちよく生きてさえいれば、機が熟したタイミングで勝手に人生は動き始める。だから、子どもの足を引っ張らないことを最優先に、その子の特性に合った選択に知恵を絞るのが大人の務めである。」 「個性というのはわざわざ磨かなくてもすでにあるものであり、その個性がそれぞれの環境で揉まれる間におのずと花を咲かせる。/それを見逃すことなく、あなたはこんなにきれいな花を咲かせているよと感動をもって伝える。」
  • 2025年11月10日
    狭き門
    狭き門
    p.164-165 「わたし、あなたのおそばにいると、もうこれ以上幸福なことはないと思われるほど幸福な気持になりますの……でも、じつは、わたしたちは、幸福になるために生まれてきたのではないんですわ」 「では、魂は、幸福以上に何を望むというんだろう?」と、わたしは性急に叫んだ。彼女は小声でつぶやいた。 「聖らかさ……」
  • 2025年11月9日
    田村隆一詩集
    田村隆一詩集
    汚れ、病み、叫び、死ぬ、清浄でいられないわれわれの精神を都市や窓などの象徴を使いながら血の通った詩情で表す田村隆一の詩が好きである。
  • 2025年11月9日
    狭き門
    狭き門
    鳥羽和久さんの『光る夏』のパリの章のプロットの元になったのだそうです。
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