ハドリアヌス帝の回想〔2008年〕新
13件の記録
jirowcrew@jirowcrew2025年10月17日ちょっと開いた「思いちがいをしないでほしいが、希望的想像と同じくらいおろかしく、それよりもたしかにずっと苦しい恐怖の幻想に身を委ねるほど、わたしはまだ弱っていない。仮にわたしが自分を欺かねばならぬとしたら、信頼の側に身をおくほうがましであろう。そのほうが恐怖の側に身をおく以上に失うことはなく、苦しみはより少ないというものだ。」 弱るということは、想像と幻想に身を委ねること。 失うことを避けようとするならば信頼を、 得ることを避けようとするならば恐怖を。 本当の自分を知ろうとしないということは、 快楽に身を委ねている証拠。 死ぬ寸前に、ハドリアヌスは、そして自分は、 何を得ようというのだろうか。












