異常に非ず
38件の記録
- mamo@reads_mamo2026年8月21日読み終わったしばらく前に読み終わったのだけれども、最高傑作だなといたく感動して余韻に浸っていて、なかなか感想も残せなかった。 当時の事件を下書きにしたとのことで、時代背景や関わる人々の想いが重なり、物語にのめり込んでしまった。 白夜行や、百年の時効にも似ていると個人的には感じていて、このもの悲しさや怒りや、やるせなさをどう扱えば良いのか、自分でもまだよくわからない。






- tk@tk67972026年8月8日読み終わった子供の頃のショッキングなニュースを覚えている 本人の異様な風貌は印象にあるものの、背景にまで考えが及んでいなかった 貧困や格差はいつの時代にもある 育った環境で人格が大きく変わる 頭の悪い男ではなかったようだ ごく普通に育っていたらと思わずにはいられない

甘党@sweet-road92026年7月6日読み終わった実在した人物、実際の事件を元にしていて重さはしっかりありながらも読みやすい。 時代が違えば、生まれる場所が違えば、人としての性質が違えば全く異なる人生があったのか。 全てが重なったことが大きくはあっただろうが、全てを生まれた時代のせい、貧困家庭のせいと括り付けてしまうのも違う。じゃあ、何がーを繰り返しながら読んだ作品だった。

咲@mare_fecunditatis2026年6月28日読み終わった@ カフェ「オレは精神異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」 自らは名乗らず、ひとことを残して、昭和の最凶立て籠り犯は、死んだ。 「あいつのやったことを、異常な人間の異常な行為いうのは簡単や。それが一番人を安心させるしな。けど犯罪いうんは、個々の暗いところに根ざしながら、実のところ時代と社会のゆがみが生んどるんやないかと思えて仕方ないねん」 「なんでじゃ、なんでわしを産んだんじゃ、こんな貧乏するくらいならなんで産んだんじゃ。ほかのヤツらはぬくぬくと暮らし、なんで俺だけが貧乏して苦しまないけん。泥棒は俺のせいではない」 「華々しい自殺。読み過ぎたハードボイルド小説。哲学書の浅い解釈。塵ひとつなく掃除の行き届いた部屋。愛読していた健康雑誌。起爆剤ひとつで、どうにでも転ぶ人格形成。発端としての貧困と母親」 「見栄を張って張って、張り詰めてしもたら、もう死ぬしかないような気もしますねん」 「世の中に媚びて生きとる母親がどんだけ味方についとったところで、何の支えにもならんかったろうよ」 犯罪の原因を特定するのは困難だ。 本人にさえ、その理由が分かっていないことも、多々ある。 生まれと育ちが絡み合い、思わぬところに帰着して、事件は起こる。 異常に非ず。 誰もが加害者になりうる。 傷付いた繊細な心は嗜虐癖に変わりうるし、受け入れてもらえた体験はさらなる渇望を生み出して不足を浮き彫りにする。 善悪の二軸では分けられない加害と被害の境目は、どんな物差しで測ればよいのだろう。 なぜ事件は起きたのだろう。 なぜ人が死んでしまったのだろう。 「カヨは清史が腹の中に戻ってきたのだと思うことにした。外に出したばかりに、いろいろ残念な思いもしたし、させもしたのだ。腹に戻してしまえばもう、何も起きない」 私の住処、広島が舞台。いろいろなものが近くて、物語が侵襲してくる。

どら猫さとっち@satocchi_4282026年6月26日読み終わった1979年1月に大阪で起きた、三菱銀行人質事件。その実行犯の梅川昭美。その事件を基に描いたものに高橋伴明の「TATTOO[刺青]あり」がある。そして令和の現在、新たに誕生した戦慄と慟哭のクライムノベル。彼は何故犯行せずにいられなかったのか。貧乏への憎しみ、家族の離縁と母の愛情。凶暴なまでに憎悪を研ぎ澄ませた男の黙示録。「ホテルローヤル」「家族じまい」の桜木紫乃が世に送る、新たな代表作。

- くろろ@kuroro2026年6月9日読み終わった事実に基づいたフィクションという謳い文句のもと、銀行立てこもり犯とその周辺の人生にスポットを当てた本。新聞記者の主人公は犯人の半生を追うことで事件の裏側を暴いていく。丙午、氷河期世代、ひとつの世代が生き抜く中でどうしようもない社会に苛立ちながらも人生を歩んでいく姿が他者の視点から描かれていて、人の人生を覗きみる感覚が強く残った。どの登場人物のことも好きにはなれなかったが最後まで一気に読めた作品。

- masarumilano@masarumilano2026年6月1日読み終わった1頁目から主犯の男の罪や欲望だけでは説明できないどす黒い、令和では想像できない重みがのしかかってくるようでした。貧困や差別、家族の断絶など、前の世代から積み重なった社会のひずみが彼の人生に流れ込み、やがて事件という形で噴出したように感じられました。彼は不幸の増幅装置のような存在でもあったのでしょう。 取材の切り口が、関わった女性に偏った部分も含めて、時代を映す鏡として考えさせる作品でした。 理想を言えば、父親の関わりについて幾らかでも掘り下げて欲しかったです。
























