ユートピア
48件の記録
ふじつぼ@famisaiko2026年8月18日買った読み終わった緑豊かな海辺に面した鼻崎町。そこに暮らす三人の女性たちの出会いから始まる群像劇である。 著者の持ち味であるリアリティをもった田舎の閉塞感や心理描写がもたらす逃げ場の無さに加え、三者三様の自分の正しさと傲慢さが主観視点で描かれることで、人間の関わりというものの一筋縄ではいかない複雑さが読者の脳内に波しぶきを立て続ける。 だが、手紙形式で描かれるラストには出すものを出しきったあとの二日酔いの終わりのような、ふらつきながらたどり着いた清涼感を感じた。 "イヤミス"と括られる著者の作品だが、そうやって全ての要素に楔を打ち込んでいくことでしか象れない心象風景へと連れて行かれる独自の効用があると思わされるのだ。 山本周五郎賞受賞作にし未映像化作の本作、またひとつ忘れらない活字の冒険であった。
rsqai@rsqai_112026年3月6日読み終わった地方の閉塞感とそれゆえに複雑な人間関係、登場する女性一人ひとりの思惑が細やかに描写されていました。 職場やママ友、ご近所付き合い、みたいな友人とはまた少し違う「人付き合い」ってこんな感じだよなぁ、コミュニティに所属してそれぞれに立場がある以上、勝ち負けは言い過ぎだけれど、舐められないようにしなくちゃ……みたいなプライドが生まれるからこそなのか。 自分とは異なる、他人の考えも受け入れたい許容したくなる、そんなお話でした面白かったです。
つき@la_lune2026年2月8日読み終わった同じ出来事に対しても、それぞれの立場があり、それぞれの言い分があり、それぞれの正義がある。この心理描写に「あー、そうだよね」「そっか、そう思う人もいるのか」「なるほどー」とただただ感心してしまう。湊かなえさんの中にはいろんな人格が存在するのか?なぜこんなに人の気持ちがわかるのか、と思わずにはいられない。 え、結局どうなったの?何があったの?と読者を引き込むテクニックもお見事で、つくづく読ませるのが上手い作家である。
































