木になった亜沙

16件の記録
- みー@mi_no_novel2025年7月6日読み終わった@ 自宅「木になった亜沙」 幼い頃から、自分の手から渡った食べ物を人に食べてもらえなかった、亜沙。彼女は短い人生を終えた後、木に転生する。切られ、割り箸となって、ある若者の家に渡って──。 人は、綺麗すぎるものを嫌う。何となく、「ちょっと汚い」ものの方が好きだったりする。亜沙の手は綺麗すぎた。 結末がとても良かった!心中エンド。 「的になった七未」 幼い頃から、「的になれない」人だった七未。何にもぶつからない、何も飛んでこない。ある日から自分で自分をぶつけるようになって、精神病院に入院する。そこで出会った医師と不倫し、子を授かり、なんやかんやあってまた一人になる。 うーん!嫌な気持ちになった〜🥹後味の悪さが最高! 最後に、「的になれて」良かったね、と思った。最愛の息子に当ててもらえて良かった。今村さん節が効いてて素晴らしい。
- 蛍@bcgcco2023年5月2日読み終わった■的になった七未 ドッジボールで、ボールが当たらなければ生き残ることができるのに、一方で忘れられたような、仲間はずれにされているような寂しさや不安感を覚えたあの感覚を覚えている。 七未も、当たった側にいけないことを恐れ、我流のおまじないのようなことを始めてしまう。 仲間に入ること、認められることの難しさや、そっち側ではない人間の生きづらさをいつもの不穏な世界観の中描いた作品。結局救われた、彼女の戦いが終わったのは亡くなった瞬間、生前は誰からも求められない苦痛を味わったままだった。 しかし、時には救いの手を差し伸べてくれた人もいたのに、それに気が付かず拒んだのは七未自身だ。他者からの愛情や接し方がわからないのに愛を求め、自身の思い込みであらぬ方向へ突き進む姿はまさに今村夏子という感じ。 他者もまた、口では励まし応援するものの、本当の意味で救おうとはしていない様がなんとも嫌な気分にさせてくる。