猫のパジャマ

13件の記録
- DN/HP@DN_HP2025年3月7日読書日記再読読書体験内容とは全く関係なくタイミング的に嫌な出来事と結びついてしまっている本というのものがある。何冊かある。それらはまた嫌な出来事を思い出してしまいそうで、あまり読む気にはなれなかったりする。この本もそんな一冊なのだけれど、先日読んでいたボストン・テランの『凶器の貴公子』の中で「これ以上ない完璧な偶然だと。人生における偶然を信じるなら、偶然なるものはほんとうに存在する。」という一文を読んだときこの本の表題作のことを思い出して、何故かまた読んでみようと思っていた。 「仔猫を拾った見知らぬ男女の極上のラブストーリー」とあらすじにはあるし、たしかにそう読んでも良いのだけれど、これは稀にしか訪れないけれど、それこそ「信じるなら」世界には確実にあるはずの偶然、不思議、奇跡と言っても良いような特別な瞬間を肯定し祝福しているような短編小説だった。とてもあたたかい気持ちで読み終えた。『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』的リアリティ、という言葉が思い浮かんだ。嫌な出来事は思い出さなかった。読んでいる間は忘れていた。「読書は我を忘れさせてくれる」というのはまた別の小説、ケン・ブルーウンの『酔いどれに悪人なし』の中の一文だけれど、本は過去も忘れさせてくれる、のかもしれない。やっぱりとても素敵で大好きだった短編小説を読んで、そんなことを思った。心のアンソロジーに大切に収めておきたい一編。
- DN/HP@DN_HP2025年3月6日また読みたい「これ以上ない完璧な偶然だと。人生における偶然を信じるなら、偶然なるものはほんとうに存在する。」というボストン・テランの『凶器の貴公子』の一文を読んだとき、この表題作を思い出した。心のアンソロジーに収録している一編。
- DN/HP@DN_HP2025年3月6日再読表題作は「仔猫を拾った見知らぬ男女の極上のラブストーリー」、ラブストーリー以外の解釈でも読めるけれど、そんな特別な出会いの話。冒頭でそんな状況、話は「毎晩あることではない」と繰り返し書かれているように、たしかにあり得なさそうな話。けれど、絶対に無いとは言い切れない物語。 この世界にも確実にあるはずの偶然性や不思議、奇跡みたいな瞬間を肯定しているような、完全に読みたかった短編小説。