魔都
18件の記録
ゆらゆら@yuurayurari2026年9月13日読み終わった夏から読んでる久生十蘭祭りの中でも、500頁超えの長編。戦前、1930年代の作品で、かつ殺人事件を扱った探偵もの(警察と新聞記者だけど)の娯楽小説の枠なので、サービス精神ある講談調の語りで進んでいくのは、雰囲気を楽しめて良かった。 物語自体は雑誌連載だからか、なかなか筋が進まなかったり、“東京の地下には、江戸時代に引かれた上水・用水路が暗渠としてあり、まるで迷宮のようで…”と、考証めいた閑筆を弄したが…と語り手自ら認める脱線があったり、かと思うと急に予想もつかないほうに展開したりで、結構読むのに時間かかったかも。 あと、警視総監や財閥やヤクザや外国の皇族やらが出てくるせいか、一条ゆかり先生の『有閑倶楽部』(大好き!)にも雰囲気が似てるなあとずっと思ってた。 誰か現代の講談師に、うまく連続物にしてやってほしいとも思ってたら、解説に、昭和51年にNHKで坂本九が三夜連続計45分で講談調で語ったのが放映されたとあって、観てみたかった。小樽の文学館に展示のあった花輪和一の劇画調の挿絵は、その時に放映されたのを「幻影城」に再録したのだと知ってらそうだったんだ!と、なった。




秋比呂@orihika2026年9月8日読み終わった面白かったけど、今まで読んだことのないミステリーでなかなか難しかった。 作者視点(神視点)で物語が展開し、語り部も作者自身なので必ずしも登場人物の視点ではないのがまた一興。 時系列には進まず、場面がさまざまに変わるためどうしてこうなったのか?は読み進めなれば紐解かれない。 探偵役と思った人物も、魔都という物語の中に飲み込まれてしまうのが、他の探偵小説にはない独特な作品だと思う。このかたりは解説でも補強されているので、最後まで読むべし
目眩@etemotust2026年3月9日読み終わった長らく尻込みしていたけど、さっさと読めばよかった〜面白かったです。探偵小説というよりは、軽妙洒脱な文章で戦前の東京を練り歩くお散歩小説(語弊)として読みました。 眞名古警視の総監宛の手紙は王道な美しさ。 解説まで読んで、中井英夫が久生十蘭好きというところで合点もいき…。無知でお恥ずかしい限りだが、虚無への供物が好きだったので、これは中井英夫と久生十蘭をいろいろ読むのも楽しいかもしれないなとにっこり。
うしみつや@bean_radish2026年2月21日読み終わった読者諸君へ向けて語りかけてくる親しげな語り口。起こった事件そのものはシンプルだが、様々な人間の思惑が絡みあい複雑になっていく犯罪小説でもあった。結末については当時の連載読者がこれをどう受け止めたのか驚かされるものだったが、東京をめぐる視線と小気味良い台詞回しそのものは面白く読めた








