
うしみつや
@bean_radish
読んだ本の記録として。幻想怪奇・ホラー・ミステリーが好き。
- 2026年2月24日
消失パーシヴァル・エヴェレット,雨海弘美読み終わった - 2026年2月22日
ピュウキャサリン・レイシー,井上里読み終わった良かった。すべて本の中に書かれているので何か言葉を付け加えるのは野暮だと思える。コミュニティに突如として入り込んだ、人種年齢性別すべて不明の「わたし」の視点で話が進むという点がまず新鮮だった。コミュニティ側の視点で「よそ者」を書きそうなところを、自らについて何も語らない語り手の「わたし」が視点で、そこが良かった。 コミュニティの人たちは一見するとやさしく、親しげで、親切だ。「わたし」に対して献身的に話しかけ、情報を得ようとするが、何も得ることはできない。差し伸べた手は当然感涙をもって受け取られるべきだという傲慢さは、彼らの異物に対する排他的な思考の表れでもある。「わたし」は何も語らない。一方的に与えられた善意を受け取らなくていい。語らなくていい。この、語らなくていいのだという作品の距離が、私にとっては救いに感じた。 本の装丁も良い。白い表紙を剥がすと、地の本は深く赤い臙脂色で、静かな質感がある。 - 2026年2月21日
魔都久生十蘭読み終わった読者諸君へ向けて語りかけてくる親しげな語り口。起こった事件そのものはシンプルだが、様々な人間の思惑が絡みあい複雑になっていく犯罪小説でもあった。結末については当時の連載読者がこれをどう受け止めたのか驚かされるものだったが、東京をめぐる視線と小気味良い台詞回しそのものは面白く読めた - 2026年2月11日
冷蔵庫婆の怪談大島清昭読み終わった待ちに待った怪談作家・呻木叫子のシリーズ第4作目。怪談収集を行う作家の、死人が起こした事件ならともかく生きた人間の起こした事件に興味はないのスタンスと、人間離れしていて良い。オカルトありきで進む推理の過程は前作に増して面白く、そして絶妙に嫌な後味にさせてくれる。呻木叫子がいつか最恐の幽霊屋敷にたどりつく日を待ち望む最新刊でした。 - 2026年2月8日
恐怖とSF日本SF作家クラブ読み終わった - 2026年2月7日
死亡遊戯で飯を食う。4ねこめたる,鵜飼有志読み終わった - 2026年1月24日
宮田珠己の楽しい建築鑑賞傍島利浩,宮田珠己読み終わった世のありとあらゆるものには制作者があり、そしてそれらを愛するものもあるという一冊。建築物の愛好家に焦点を当て、なぜそれらの写真を撮っているのかをインタビュー形式で読めるのが楽しい。特によく見る大理石風の壁にテラゾーという呼び名があるのはこの本で初めて知った。日常的に目にしているものであっても、再発見する視点があれば日常に彩りが宿るのだと思える。 - 2026年1月23日
死亡遊戯で飯を食う。3ねこめたる,鵜飼有志読み終わった孤島のクローズドサークルにおいて誰が殺人犯なのかという人狼ゲームさながらの展開。ミステリー色強めでありながら前2巻を受けた転がし方で楽しめた。シリーズもので毎巻違ったデスゲームをというところで飽きずに読ませる力がすごい - 2026年1月21日
死亡遊戯で飯を食う。2ねこめたる,鵜飼有志読み終わった - 2026年1月21日
死亡遊戯で飯を食う。(1)ねこめたる,鵜飼有志読み終わった - 2026年1月8日
死霊の恋/化身テオフィル・ゴーティエ,永田千奈読み終わった「化身」を読みたかったため再読。貴族の青年が伯爵夫人に恋をして伯爵と魂を入れ替える、コメディとしても読める短編。胡散臭いインド修行心霊ドクターが胡散臭さ以外はいたって善良なマッドドクター、何度読んでも味。見知らぬ青年の身体にされた伯爵が自分の邸宅で門前払いをくらう場面が好き。 - 2026年1月7日
- 2026年1月6日
永遠の家エンリーケ・ビラ=マタス,木村榮一,野村竜仁読み終わった自分の声を失った代わりに数多の声を得た腹話術師の連作短編集。作中で語られる腹話術師のエピソードは不連続で一人の人間の人生と思われないが、ゆるやかにつながる虚構へ向けた語り口が心地良い。中盤の「お払い箱」「底流」「古い連れ合い」の三編、ラストの「下着のままの逃走」からの「永遠の家」が特に良かった。 - 2026年1月5日
ぼくは化け物きみは怪物白井智之読み終わった特殊状況下ミステリにおける当世随一の作家こと白井智之の新作短編集。異星人が人類虐殺停止の条件として課したテストにどう立ち向かうか?という「大きな手の悪魔」が特に良かった。最終局面まで誰が探偵役なのかわからない、多重解決ミステリの楽しみも健在。グロ外連味は過去作と比べて少なめのため、初めての人にもすすめやすい。 - 2026年1月1日
人形館の殺人 <新装改訂版>綾辻行人読み終わった館シリーズ4作目。ミステリではあるが幻想怪奇小説として読んでも面白い。トリックは今となってはありふれてしまったかもしれないが、前3作の流れを受けたて満を持して出された本作は古典でありながら新鮮に感じた。 - 2026年1月1日
- 2025年12月31日
- 2025年12月27日
無常商店街酉島伝法読み終わった酉島伝法と言えば、読みやすい文章で書かれているはずが進むにつれ「何が書いてあるかはわかるのに何が起きているのかわからない」、文字で書かれた迷宮に連れ込まれるのが魅力の作家だが、本作は商店街を舞台に、登場人物も文章も奥深くへ迷い込む、唯一無二の一冊だと感じた。 あまりにも良すぎたため、2025年の終わりに読んでそのまま2025年の10冊の中に食い込んだ。 収録作3本中3本とも良かったが、表題作である商店街の中をウォーキングシミュレーター的に歩き続ける場面だけで300ページくらいあってもいい。続編が出たらとても嬉しい。 - 2025年12月14日
悪夢工場トマス・リゴッティ,宮脇孝雄,白石朗,若島正読み終わった三方小口が真っ赤に染まる、物理媒体最強にかっこいい怪奇短編集。 修辞修飾語が重め厚めで、一読しただけでは何が起きてどうなったのかが判然としない場面もあるものの、イメージの積み重ねによりここでしか見られない光景に出会うことができた。 特に面白かったのは異様習俗レポ「道化師の最後の祭り」・侵蝕する神秘「ネセスキュリアル」・薄気味悪い映画館の「魔力」の中盤収録作3コンボ。中でも「ネセスキュリアル」はラスト一文までの畳みかけが良く、声に出して読んだ際のリズムが最高だった。
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